オバマケアでは医療データの活用に期待
在日米国大使館 上席商務官・政治学博士 スティーヴン・J・アンダーソン氏
在日米国大使館のアンダーソン氏は、ヘルステックに関する米国政府の取り組みについて、「2010年にオバマケア法が成立してからの5年間、米国の医療保険制度は大変革期だった」と紹介した。
「オバマケアでは、National Institutes of Health(米国立衛生研究所)などの研究機関が保有する大量の医療データを活用して、国民にどのような利益をもたらすかが重要視されている。政府を上げて、医療データ活用の取り組みをサポートしていく」(アンダーソン氏)
英国イングランド国民医療サービス Head of Technology Strategy ポール・ライス氏
また、NHS Englandのライス氏は、英国の医療政策について、「病院ベースのサービスからコミュニケーションベースのサービスへ、治療から予防へ、今後5カ年でシフトしていく」と紹介した。
コミュニケーションベースの医療とは、ライス氏によれば「テクノロジによって市民に力を与えて、医療に貢献してもらうこと」だ。例えば、市民が自分のカルテに記録を書き込んだり、ファミリードクターとのオンラインコミュニケーションで病気を予防したりといったように、市民・患者が自ら医療のリソースになって、医療に貢献することを指す。