もちろん、新顔はElementary OS Freyaだけではない。2015年には「Souls」や「Chromixum OS」など、「Chrome OS」のクローン勢も勢力を拡大してきた。いずれも「Chromebook」以外の端末でChrome OSを利用可能にする、素晴らしいOSである。
そして、「Ubuntu Gnome 15.10」を抜きにして、2015年のLinuxデスクトップは語れない。このディストリビューションは、なぜかあまり注目を集めなかったようなのだが、(私の意見では)デスクトップ用のLinuxとして極めて高い完成度を備えている。OSとしてのデザインが美しいのは言うに及ばす、筆者が試した限りでは、現存するどのディストリビューションよりも優れたパフォーマンスを発揮した。Ubuntu Software Centerという些細な欠点に目をつぶれば、Ubuntu Gnome 15.10は、Chrome OSに比肩する操作性を備えた完璧なデスクトップ用OSである。
Chrome OSが話題に出たところで、次の話題に移ろう。
Chromebook
ChromebookがLinuxカーネルで駆動されていることを忘れてはならない。Linuxが存在しなければ、Chrome OSも存在しえなかった。2015年のChromebookとWindowsラップトップの対決は、安価で大量に市場投入された後者の勝利に終わるだろうというのが大方の予想だったが、その予想は大きく外れた。市場調査企業NPDによると、米国におけるB2Bチャネル経由のChromebookの販売台数は、2015年前半に43%増加したという。これは無視できない数字だ。そして、筆者が持つさまざまなデータから予測する限り、Chromeと「Android」という強大な勢力は、これから史上類をみない大成功を収める可能性が高い。
Androidが話題に出たところで、次の話題に移ろう。
Android
AndroidプラットフォームとしてのLinuxは大成功を収めたが、世界で最も支配的なOSとしての覇権は、今後も揺るぎそうにない。そしてChrome OSの場合と同様に、Androidを産み落としたのもまたLinuxなのだ。Androidがこれほどの大成功を収めた最大の要因は、多くのユーザーが従来のデスクトップPCを見限り、安価な代替品に走ったからだ。アンロックされたAndroid端末が、これらユーザーの願いを叶えた。ベンチャーキャピタル企業のBenedict Evans氏は、ユーザーがどの端末を最も重要だと考えているかを問うアンケート調査を実施した。これは、2013年に実施されたものと同じ内容の調査である。2013年と2015年の調査結果は、それぞれ以下のとおり。
2013年:
1. ラップトップ 46%
2. デスクトップ 28%
3. スマートフォン 15%
4. タブレット 8%
2015年:
1. スマートフォン 33%
2. ラップトップ 30%
3. タブレット 19%
4. デスクトップ 14%