――どのようにチームを作り、どのような人物を求めているのか。
「全員がリーダーであること」が前提としてあり、上下関係を作らないホラクラシー型組織に近い形態を取っています。これを推進するため、役職や入社時期などで意見の壁を作らないようにお互いをあだ名で呼びあっています。
人物像については社内では「ソラコムの求めるリーダーシップ」という内容の14個のモットー(プリンシプル)のようなものがありまして、それに沿って仕事ができる人、ということです。代表的なプリンシプルは「顧客主義」「完璧よりもスピード」「未来に対して肯定的」「オープンでフェアで誠実」などがあります。これらをを月に一度くらいの頻度で皆で共有して確認しています。
エンジニアの中でもコミュニケーション力が高い人を採っているということもありますし、コーディングだけできるというのではなくてセールス的な動きやセミナーでの講師など色々な役割をやれる人しか今のところはいない状態です。評価は新しいモノをつくるということで、定量ではなく、定性評価を採用しています。
また、在宅ワークやリモートワークも可能で、フルフレックス制を採用しつつ、毎日午前11時には全員、リモート参加でOKの会議二出席するなどしてコミュニケーションを取っています。
インテグレーション成功時はお寿司を食べる 社内メールはなく、Slackを利用している(ソラコム提供)
あとは2週間に1回のリリースをやっているわけですが、その途中で必ず一回は顧客に会いに行ってくれとお願いしています。そうやって現場の声を聞くというのが重要だと思っています。リリース直後は社員同士で「ツイッター飲み」を開催しています。ソラコムのことを書いてくれているツイッターのつぶやきを皆で見ながらお酒を飲むという。それぐらい顧客からのフィードバックは重視しています。常に答えは現場にある、と思うからです。長期計画もありますが、市場や顧客の意見を反映することのほうが優先順位は高いです。
――海外進出の計画は。
具体的に発表できる段階ではないのですが、グローバルと言っても世界は一枚岩なわけではなくて、それぞれの地域の特性があります。今のところは北米、ヨーロッパを中心に粛々と準備をしているところです。クラウドと安定したネットワークキャリアがいるところには可能性がありますので、そういうところには順次参入していければと考えています。中国に関して言えばネットワークやクラウドなどに政府の関与が大きいのでその辺りのことを検討している、ということになります。
――ソラコムにとってのチャレンジは何か。
IoTの普及というのはいずれは絶対に起こるというかやってくると思うのです。ただそれが5年でやってくるのか、10年なのか、それとも3年なのかという部分でIoTの浸透が遅くなってしまうということですね。われわれはもっと速くIoTが広がってほしいと思っていますが、それが何かの要因で遅くなってしまうこと、そのものがソラコムにとってのチャレンジだと思います。
もちろん「日本発のグローバルなプラットフォームビジネスを目指すこと」がソラコムの原点であり、最大のチャレンジではあるのですが。