大木豊成「Apple法人ユースの取説」

iPhone 7の強みはハードウェアじゃない - (page 2)

大木豊成

2016-09-16 07:00

iPhoneをかざすだけで交通費精算も勤怠管理もできるようになった

 Suicaは交通費以外に、ショッピングに利用できるのが便利だ。しかし、会社の交通費精算にも使えることをご存じだろうか。

 グループウェアで有名なサイボウズが提供するkintone(キントーン)は、ブラウザ上で簡単に業務アプリケーションを作ることができることで人気のクラウド基盤サービスだ。そのkintoneと連携した交通費精算サービスがkincone(キンコン)というものなのだ。名前が似ているが、kinconeはkintoneの上で動くサービスだ(データ連携がなければ、単体でも動く)。

 kinconeは、iPhone 7とカードリーダーがあるだけで導入できる。10月のiPhone 7のSuica対応が始まれば、iPhone 7でタッチするだけで、出退勤を管理できる上に、交通費精算の記録もできてしまうことになる。

 kintoneを使っている企業は、そこに1人あたり月額250円を加算するだけで、社員自身の月末精算業務はもちろんのこと、経理スタッフが全社員の交通費を取りまとめるといった作業の工数が大幅に削減できるのだ。


「kincone」のPC上の管理画面

「kincone」のiPhone上の出勤時画面

オフィスの入退室管理もiPhoneで一発

 オフィスの入退室に、カードキーを使っている企業は多く、首からストラップでカードキーをぶら下げている人をよく見る。筆者は前職でぶら下げるのが嫌だったのだが、外資系企業では腰のあたりにぶら下げている人が多くて、首からぶら下げるよりはずっとスマートに感じる。

 そのカードキーは、一般的には専用カードキーなのだが、実はSuicaなどの交通系カードを転用することもできるのだ。


入退室クラウドサービス「Akerun」

 入退室クラウドサービスのAkerunは、最初に対応したのがiPhoneアプリでの開閉だったのだが、現在はSuicaに対応している。つまり、Suica対応のiPhone 7であれば、出社した際にカードキーを取り出す必要もないということだ。

 モバイル化されて、いろいろな情報が小型端末で活用できる時代になったのだが、なぜか荷物が多い、という方は多いのではないだろうか。それは財布の中も同じで、クレジットカード、ポイントカード、会員カードなど、多くのカードが財布の中を占める状態で、さらにネックストラップの付いたカードキーを探すために、扉の前でカバンの中をまさぐっている人をよく見かける。

 専用カードキーは初期としては良かったのだが、少しでも手荷物を減らし、スマートに活動するという発想でいくと、Suicaをオフィスのカードキーとして活用するほうが望ましいと思うのだ。Akerunの特徴は、入退室の記録をPCで管理できる点で、さらに来客に対してPCから解錠することができるのも便利だ。

 AppleがiPhoneをSuica対応させてきたことで、多くの「おサイフケータイ」のためだけにAndroid端末を持っていた筆者のような人間にとって、Androidは無用の長物となってしまうことになった。また、防水機能については、筆者の知り合いの記者が風呂に放り込んだ動画をYouTubeにアップしているので、こちらを見ていただければ、風呂程度は問題なく使えることが分かる(風呂での使用は自己責任で)。もっとも、ビジネスパーソンとしては、風呂のタイミングくらいはiPhoneと離れても良いのかもしれないが。

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