2018年も前年までと同様に、バズワードにまみれた数多くのテクノロジが世の中をにぎわせた。しかし米ZDNetの記者たちは、果てしなく押し寄せるアルファベットの略称の波に疲れ切ってしまっている。このためわれわれは、簡単なテストを使って、2018年に話題になった技術をふるいにかけてみることにした。今話題になっている技術の中で、10年後になっても重要な意味を持ち続けているのは一体どれだろうか。
米ZDNetの記者(Larry Dignan、Chris Duckett、Jason Hiner、Steve Ranger)が、2018年に話題になり、今後も重視されると考えられるテクノロジとともに、必ずしも成功とは言えないいくつかのテクノロジについてまとめた。
2028年には、どのテクノロジが生き残っているだろうか。
クラウドコンピューティング
2018年はクラウドが成熟した年であり、2028年には、クラウドは今の電気のようなものになっているだろう。Amazon Web Services(AWS)とVMwareのパートナーシップは勢いを増し、同社は自社カンファレンス「AWS re:Invent 2018」でより大きな野心を見せた。Microsoft Azureの法人利用も大幅に増加した。GoogleはOracleの元クラウド事業責任者Thomas Kurian氏を雇い入れ、Google Cloud Platformの運営を任せる。IBMはマルチクラウドアプローチを発展させ、Red Hatを340億ドルで買収すると発表した。
大企業のクラウド導入が進んでいることを示すこれらの兆候や、M&A、ハイブリッドコンピューティングに関する細かい議論は、すべてクラウドが成熟してきていることを示している。また、この市場はもはやゼロサムではなく、どちらかと言えばハイブリッドクラウドが主流になっている。これらを考えれば、後年、2018年はクラウドが成熟した年だったと言われることになるだろう。
人工知能(AI)
機械学習はコンピューティングのあらゆる領域に入り込みつつあり、しかもこれはまだ序の口にすぎない。現在利用されているニューラルネットワークを「だます」のが簡単であることからも分かるとおり、まだまだ課題は多い。今後は「不気味の谷」も克服する必要があるし、機械がチューリングテストに合格する可能性もある。
われわれはそれらの課題を克服しながら、AIを利用する際の倫理上の問題や法的問題を解決しなくてはならない。例えば、もし自動運転車が歩行者をひいてしまったら、責任は誰にあるのだろうか。株取引のほとんどを機械が行うようになったら、市場は自由だと言えるだろうか。人間は邪魔なだけの存在になるのだろうか。
大局的な観点から見れば、AIの各分野への専門化が進んでいくことは確実であり、今後はあらゆる場所で使われるようになるだろう。真の汎用人工知能の実現に向け、今後も進展していくだろうが、この究極の目標が達成できるかどうかは分からない。