企業がクラウドへの移行を進める中、事業部門はデータを積極的に活用したいと考えている。だが事業部門の動機は必ずしもIT部門の優先事項と一致しているわけではない。この不一致は、ソフトウェア企業Clouderaの委託によりHarvard Business Review Analytic Servicesが実施した、グローバルな企業の幹部を対象とした新たな調査で明らかになった。
調査によると、回答者の大半(73%)は自社のデータリソースが事業価値の創出の鍵を握っていると考えており、33%はその重要度を10段階中10としている。また、69%が今後3年間で自社の戦略目標を達成するために包括的なデータ戦略を必要としていると回答した。
だが、自社のアナリティクスやデータ管理機能が目標達成に沿っていると回答したのはわずか35%だった。
「この相違の最大の理由は、大半の大企業の事業部門がスピードを求めていることだ」と、Clouderaの最高マーケティング責任者(CMO)のMick Hollison氏は米ZDNetに対して述べ、「事業部門は信じられないほど迅速に動き、企業内の成長を促進したいと考えている」とした。
一方、ITチームは全てのデータを保護し、管理しなければならない。「それにより、事業部門とIT部門が対抗する場合がある」とHollison氏は述べた。
Clouderaがこの調査を委託したのは、同社の顧客と同様に、同社がマルチクラウドのハイブリッドソリューションを活用しているからだ。2018年のHortonworksとの合併に続いて、Clouderaは、あらゆる場所に存在するデータのための業界初の「エンタープライズ・データ・クラウド」と同社が銘打っている「Cloudera Data Platform」をリリースした。この公開に先立って、Clouderaは変化するクラウド分野を企業がどのように認識しているかについて、より多くの洞察を求めていたとHollison氏は述べた。
Harvard Business Review Analytic Servicesは幅広い業界のグローバル企業幹部185人を対象に調査を行った。調査対象者のおよそ半数は、売上高が10億ドル(約1080億円)以上の企業に属している。