VMwareは7日間で、マルチクラウド戦略の加速を約束し、デベロッパーが仮想マシンよりもコンテナーを好むようになる可能性に備えて、自社のポジショニングを見直した。そしてVMwareこそ、デジタルトランスフォーメーションを推進する企業が選ぶべき、エンタープライズのエンジンだと主張した。
VMwareの最高経営責任者(CEO)のPat Gelsinger氏は、この戦略を第2四半期の決算電話会議で説明し(ただし、話題の中心はPivotalとCarbon blackの買収だった)、数日後に開幕したVMworldでも強調した。
VMwareは今や、顧客に選ばれるマルチクラウド、ハイブリッドクラウドとして、唯一無二の存在感を発揮している。顧客もまた、このことを理解し始めている。この巨大な、急速に進化している、グローバルに利用可能なパブリッククラウドのリソースを顧客が活用できるようにしていると言えることは、非常に強力なアドバンテージだ。
確かに、VMwareはAmazon Web Services(AWS)とパートナーシップを組み、AWSの推奨ハイブリッドクラウドとなっている。しかしVMwareがMicrosoft Azure環境に統合されたときも、顧客の反応は非常に早く、好意的だったとGelsinger氏は言う。Azureとのパートナーシップでは、「VMware Cloud Foundation」を利用してソフトウェア定義データセンターを実現し、販売とサポートはMicrosoft Azureが担う。わずか2カ月間で、Gapを含む20社が顧客リストに加わった。
VMwareはGoogle Cloud、IBM、親会社のDell Technologiesとも、ソフトウェアやサービスの面で多彩なパートナーシップを構築してきた。そのおかげで、今ではほぼすべての環境に対応できると言っても過言ではないかもしれない。VMwareのアプローチはIBMのRed Hat買収戦略をほうふつとさせる。多くの重要な分野で細かい違いはあるものの、目指す場所は同じだ。IBMとRed Hatも、そしてVMwareもマルチクラウドのデプロイメントを志向している。
最大の懸念は手を広げすぎる可能性だろう。しかし、心配はしていないとCEOのGelsinger氏は言う。同氏は米ZDNetのインタビューでこう語っている。
この6、7年間に当社がしてきたことを思い出してほしい。私たちは常に、現在の能力と隣接する能力を取り入れることで、ビジネスを強化してきた。隣接する機会を狙えば成功率は高いが、親和性のない機会を狙えば成功率は低下する。これが、私たちの基本的な考え方だ。
今回のVMworldから、注目すべきテーマをピックアップしてみよう。
コンテナーの取り込みと拡張
VMwareのコンテナー戦略は、VMwareのこれまでのやり方、つまり、新しいものを取り込み、拡張するという戦略と一致している。
Pivotalの買収は、Cloud Foundryの開発者と、Kubernetesを取り入れながらコンテナーに取り組むための土台をVMwareにもたらした。