過去5年間の求人情報の分析によれば、米国の労働市場でもっとも需要の高いITスキルはSQLとJavaだという。
しかし、同じ期間に求人ウェブサイト「Indeed.com」のIT分野の求人で起きたもっとも大きな変化の1つは、Pythonに対する需要の大幅な増加だ。
このPython需要の増加は、プログラミング言語の人気ランキングでPythonの人気が高いことや、その人気の高まりが急激であることを反映している。
Pythonのスキルに言及している求人情報は、2014年9月には8%だったが、2019年9月には18%にまで増えた。2019年9月に、Javaに言及している求人情報は20.8%で、SQLは21.9%だ。
Python需要が急増している理由には、データサイエンス分野の拡大や、昨今の機械学習や人工知能(AI)に対する関心の高まりが挙げられることが多く、これにはサードパーティーのPythonパッケージや開発ツールが充実していることも影響している。
また、Python 2.xのサポート終了が近づいているため、膨大な量のPythonのコードを抱えている大手IT企業(例えばInstagramやDropboxなど)では、この数年間、コードをPython 3.xに書き換える作業が進められている。さらにPythonは、JPMorganなどの銀行大手でも必要不可欠な存在になってきた。
Indeedのグラフを見れば、Amazon Web Services(AWS)に関する知識のある開発者の需要も、この5年間で急増していることが分かる。2019年9月には、求人情報の14%でAWSの知識が求められている。
Microsoft Azureに言及している求人情報も2倍以上に増えてはいるが、2019年9月時点ではまだ全体の6.9%にすぎない。また、Google Cloud Platformに言及している求人はわずか0.8%だ。
AWSの知識を持つ開発者の需要は、この5年間で大幅に増えた。
提供:Indeed.com
Indeedの研究機関であるIndeed Hiring Labの経済学者Andrew Flowers氏は、この5年間でPythonやAWSのスキルが必要な求人がこれほど急増した理由を説明している。この期間に、Pythonのシェアは123%増加し、AWSのシェアは418%もの伸びを見せた。
「もちろん、IT関連の求人でよく見られる職種であるソフトウェアエンジニアとフルスタックエンジニアは、Pythonを使うことが増えている。また、これらの職種ではAWSもよく利用する」とFlowers氏は述べる一方で、次のようにも付け加えている。
「しかし、PythonとAWSが異例の急増を見せた背景にあるのは、IT関連の職種の構成が、これらのプログラミング言語に有利な形に変化していることだ」
PythonとAWSの急激な伸びに影響を与えている要因には、データサイエンティストやデータエンジニアに対する需要が高まっていることもある。しかし同氏は、DevOpsエンジニアに対する需要の伸びが、AWSの急激な伸びを大きく後押ししていると指摘している。
2019年の求人情報でシェアが大きかったスキルのトップ10は、SQL、Java、Python、Linux、JavaScript、AWS、C++、C、C#、.NETだった。
同じ期間に、Pythonのシェアは123%、AWSのシェアは418%増加した。
提供:Indeed.com
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。