Microsoft傘下のオープンソースのコード共有サイトGitHubで、高い人気を誇るプログラミング言語Pythonが、かつての人気言語であるJavaを抜き、最も人気の高いプログラミング言語ランキングで2位の座を獲得した。
提供:GitHub
GitHubの「The State of the Octoverse 2019」のレポートによると、Pythonは今回、貢献のあったリポジトリー数でJavaを上回り、2014年以来トップの座に就いているJavaScriptに次いで2位となった。
誕生から30年経ったPythonにとって、これは大きな節目となる出来事だと言えるだろう。ちなみに、このレポートが公表された前週には、Pythonの生みの親であるGuido van Rossum氏がクラウドストレージ企業のDropboxを退職し、職業開発者としても引退すると発表している。Dropboxのバックエンドサービスとデスクトップアプリの大部分は、Pythonで書かれている。
最も成長の早い言語のランキングも注目に値する。GitHubでは、Googleが開発したプログラミング言語「Dart」の利用がコントリビューターの間で増加している。また、「iOS」アプリと「Android」アプリのユーザーフェースを構築するためのフレームワーク「Flutter」の開発者が急増した。
Dartは2018~2019年にかけてもっとも成長の早い言語で、コントリビューター数はが前年比で532%増加した。それに次ぐのがMozillaが開発した「Rust」で、こちらも235%もの増加を見せている。
MicrosoftはWindowsのコードベースにRustを導入する実験を行っているが、これはRustがメモリー関係のセキュリティ問題を解決するように設計されているためだ。過去10年ほどの間にMicrosoftのソフトウェアに見つかったセキュリティホールの多くが、メモリー関係の問題だったという。
1年前のレポートでは、もっともコントリビューター数が増えた言語は、GoogleからAndroidアプリ開発用の言語としてのお墨付きを得たプログラミング言語である「Kotlin」だった。Kotlinはまだ人気言語ランキングのトップ10にはランクインしていないが、コントリビューターの数はこの1年間で182%増えている。
Microsoftが開発した、「JavaScript」のスーパーセットになっている言語「TypeScript」のコントリビューターも161%増加しており、大規模なJavaScriptアプリにTypeScriptを使用する開発者が増えていることが分かる。