およそ2年前となる2018年3月のことだ。Microsoftは「Windows」ビジネスの再編とともに、Windows and Devices Group(WDG)を率いていたTerry Myerson氏の退社を発表した。組織的に見た場合、同社はWindows開発チームを2つに分割し、「Microsoft Azure」を開発している組織とExperiences & Devices(E&D)部門に振り分けた。これは基本的にWindowsスタックに従った編成であり、Windowsのコア部分はAzureの開発部門が、フロントエンドのユーザーエクスペリエンス(UX)はE&D部門が担当するというものだった。しかしMicrosoftはそれ以来、同社がサポートしているさまざまなプラットフォームをまたがったWindowsのビルド/保守の方法について、この再編がどのような意味を持っているのかをほとんど公言していなかった。
Microsoft Azure担当のエグゼクティブバイスプレジデントであるJason Zander氏
しかし、筆者は米国時間12月9日の週に、Azure担当エグゼクティブバイスプレジデントであるJason Zander氏にインタビューする機会を得て、今やWindowsのエンジニアリングを取り扱うようになったAzureチームを同氏がどのように捉えているのかについて語ってもらった。
なお、本記事ではWindowsのUX面については採り上げていない。UX面はエグゼクティブバイスプレジデントのRajesh Jha氏が率いる組織の話になるためだ。また、コーポレートバイスプレジデントであるJoe Belfiore氏のEssential Products Group(EPIC)の話題にも触れていない。Belfiore氏はWindowsのシェルとUXへの取り組みに加えて、「Microsoft Edge」と「Microsoft News」「Microsoft OneNote」「Microsoft Education」のほか、「Android」や「iOS」を搭載したモバイル向けのアプリやサービスを統括している。
1992年からMicrosoftに在籍しているZander氏は、同社のインテリジェントクラウドとインテリジェントエッジ関係の製品やサービスを開発する複数のコアチームを統括している。同氏はAzureの戦略のほか、「Microsoft SQL Server」やビッグデータ、アナリティクス、量子コンピューティングといったMicrosoftのクラウド製品ラインの製品管理やエンジニアリング、運用を担当している。
同氏は、MicrosoftのコアとなるOSとインテリジェントエッジ、すなわちCOSINE(Core Operating System and Intelligent Edge)チームも担当している(Microsoftは組織図を公開していないものの、筆者はCOSINEのプロジェクトマネージメント/プラットフォーム面をコーポレートバイスプレジデントのRoanne Sones氏が、開発面をコーポレートバイスプレジデントのMichael Fortin氏が指揮していると確信している)。