Microsoftが組織再編を実施する。
同社はほぼ毎年組織再編を実施しているが、今回は例年と異なる部分があるようだ。ほぼすべての事業を「Windows」の名の下に編成していたのがそれほど遠い昔ではないことを考えれば、特にそういえる。最高経営責任者(CEO)のSatya Nadella氏が米国時間3月29日に従業員らに明かした計画には、Windows部門に対するいくつかの大きな変更が含まれている。
2013年からWindows事業を統括してきたTerry Myerson氏がMicrosoftを離れる。Myerson氏は「自身の次なる人生を、Microsoft以外の場所で追求する」と、Nadella氏は従業員宛ての電子メールで述べた。Myerson氏は数カ月間Microsoftにとどまり、移行にともなう作業などを支援するという。
Microsoftは、Myerson氏が統括していたWindows and Devices Group(WDG)を分割し、一部を29日午前に発表した2つの新しいエンジニアリング部門のうちの1つに移す。WDGの事業のうち、一部は、エグゼクティブバイスプレジデントのRajesh Jha氏が統括する新しいExperiences & Devices部門の下に移され、また一部は、エグゼクティブバイスプレジデントのScott Guthrie氏が統括する新設のCloud + AI Platform部門の下に移されるようだ。2016年に新設されたAI + Research部門は、エグゼクティブバイスプレジデントのHarry Shum氏が引き続き統括する。
Microsoftは現在、WDG、Office、Cloud and Enterprise、AI + Research、Gamingなどの複数の主要部門を中心に編成されている。29日の再編はそうしたあらゆる部門に影響を与えるが、Gaming部門は基本的に独立体制を維持することになるとみられる。LinkedInにも影響はなさそうだ。
この変更は、Microsoftの新たなスローガンとなっている「インテリジェントクラウドとインテリジェントエッジ」に注力するというMicrosoftの目標の一環だと、Nadella氏は述べた。
Nadella氏はMicrosoftの全従業員に宛てた電子メールの中で、全員が「コンウェイの法則を越えるよう自らを駆り立てなければならない」と述べた。コンピュータプログラマーのMelvin Conway氏が生み出したコンウェイの法則とは、「(広い意味での)システムを設計する組織は、その組織構造をそっくりまねた構造の設計を生み出してしまう」というものだ。
Myerson氏は1997年、Microsoftが同氏の創業したInterseを買収したことに伴ってMicrosoftに入社した。Microsoftでは、「Exchange」チームを統括していた時期もある。「Windows Phone」部門の統括を経て、2013年には統合されたWindowsチームの責任者に就任し、その後、Windows、「Surface」「Xbox」「Windows Server」「HoloLens」などで構成されたWDGを統括していた。また、数年前からMicrosoftの経営執行チームのメンバーとなっている。
Jha氏は1990年にMicrosoftに入社した。2006年からOffice(後に「Office 365」)を担当する開発およびエンジニアリングチームを統括している。同氏もMicrosoftの経営執行チームの一員だ。同じく経営執行チームに所属するGuthrie氏は、1997年にMicrosoftに入社し、これまでに多数のエンタープライズソフトウェア、ツール、クラウドチームを担当してきた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。