総合物流のセンコーグループがグループ企業の社内システムとEDI(電子データ交換)サービスをつなぐデータ連携処理基盤を構築した。この基盤はAmazon Web Services(AWS)上に構築するWMS(倉庫管理システム)とも接続される。アシストが12月24日に発表した。
同基盤は、グループのITを担当するセンコー情報システム(大阪府八尾市)が構築している。センコーグループは住宅建材や化学製品、アパレル、日用品などの物流事業や商事事業などを手掛け、全国に事業拠点がある。
取り組みは、2017年7月にグループ企業のランテックで行われ、オンプレミスで運用していたEDI/EAI(企業アプリケーションの統合)の業務をクラウドに移行する次世代EDIサービスの導入を決定した。ここでは以下の条件が生じた。
- 検討開始から本番稼働まで約7カ月の短期間でのシステム構築
- クラウドを活用したスモールスタートでの実装
- 現有リソースによるプロジェクト推進体制
- 業務サーバーとのデータ交換をAmazon S3で実施
- COBOLは利用しない
このためデータ連携処理には、セゾン情報システムが開発し、アシストなどが販売する「DataSpider Servista」を採用した。GUIでノンプログラミング開発ができ、データ連携処理の実装が容易であるほか、Amazon S3と連携できること、一定のプログラム品質が担保されることなどが決め手になったという。EDIにはインテックのサービスを利用しており、インテックもDataSpiderの採用を提案した。
新基盤は2018年2月に本番稼働を開始した。開発期間は当初想定の2カ月間より1カ月短縮されたほか、エンジニアのスキルや経験に左右されにくいシステム開発の実現、1日約6000件(年間約200万件)のトランザクション処理における通信の不安定性に起因する障害発生が2件――といった効果が認められたとする。
また新環境は、AWS上にDataSpider Servistaの冗長化構成を採用しており、クラウドを利用したEDIサービスとのデータ連携処理の先行的な事例だという。