日本航空電子工業は、NTT東日本・西日本による固定電話のIP網化の対応策としてインターネットEDI(電子データ交換)への移行を実施した。企業間のデータ連携に利用するB2Bサーバーにはデータ・アプリケーション(DAL)の「ACMS B2B バージョン5」を採用した。
日本航空電子工業は、コネクター事業をはじめ、インターフェースソリューション事業、航機事業をグローバル展開している。
これまで同社のEDIは、DALのB2Bサーバ―「ACMS B2B バージョン4」を使いISDN回線で行ってきた。しかし、過去にダイヤルアップルーターに障害が発生した際に、その代替機を市場で調達できないという事態となり、ISDN回線を使い続けていくことのリスクを認識した。また2024年1月には固定電話がIP網へ移行されることもあり、インターネットEDIへ早期に移行することを決断した。
同社では、従来のISDNを使ったEDIでは、遅延を防ぐため一定のデータ単位で一日に何度も伝送を行っていたが、インターネットEDIへ移行後、一斉伝送が可能となり、伝送時間は2分の1以下に短縮された。
ACMS B2B バージョン5は、2ノード構成による分散配置が可能で、重要な業務データや管理情報はローカルネットワーク内に、通信機能をDMZ(非武装地帯)に配置することで、インターネットの脅威に備えることができる。
システム構成図(出典:DAL)
また、今回採用された通信プロトコルは、暗号や認証の技術を使ってリモートコンピューターと通信するSSH(Secure Shell)の仕組みで通信するプロトコル「SFTP」を活用している。ACMS B2Bは、今後の取引先の要望にあわせ通信プロトコルを追加することができる点も導入のポイントになった。