ServiceNowの最高経営責任者(CEO)Bill McDermott氏は、SAPのCEO時代に成果を上げた戦略を踏襲し、業界別のユースケースに注力していく計画のようだ。
McDermott氏はSAPのCEOを退任して間もなく、2019年10月にServiceNowのCEOに就任した。同氏は、2019会計年度第4四半期の決算を控えた米国時間1月27日、同社の戦略について概説した。ひとことで言うと、銀行業界や通信業界に向けたワークフローやデジタル変革サービスの構築にフォーカスしていくということだ。
同社はこれら2つの業界を皮切りに、インテグレーター企業の協力を得て対象とする業界を拡大していく。Deloitte、Accentureとの提携を拡大し、業界別のデジタル変革の課題に対応する。Deloitteは銀行向けのServiceNow製品の導入を受け持つ「ローンチパートナー」となり、Accentureは通信業界のソリューションで協力することになる。
どこかで聞いたことがあるような話かもしれない。その通りだ。McDermott氏の指揮下で、SAPは業界別に的を絞った販売モデルに沿ってクラウド企業を買収していた。McDermott氏の就任前のServiceNowは、より水平型のベンダーだった。エンタープライズソフトウェアの販売は特定の業界に向けたものとなっている場合が多く、Salesforceのような企業も業界別のサービスに一層力を入れている。
McDermott氏は声明で、「業界特有のソリューションを生み出し、パートナー主導型のモデルを通じてそれらを提供することで、われわれは主要なバーティカル市場の企業が直面している特有な課題により上手に取り組めるようになる」と述べている。
ServiceNowは、銀行業界におけるミドルオフィスとバックオフィスの運用をシンプルにするとともに、通信業界のカスタマーケアやサービス保証をより容易にすることを目指す。また同社は、5Gで実現される新サービスが特に必要とするソフトウェア定義ネットワークに対するサポートを提供するためのワークフローソリューションを生み出したいと考えている。
これらの業界別の製品群は2020年中に利用可能になる予定だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。