エンタープライズソフトウェア企業のInforが米国時間2月4日、Koch Industriesに買収されることが明らかになった。詳しい買収条件は公表されていない。Koch Industriesはもともと、25億ドル(約2700億円)相当の株式を所有するInforの少数株主であり、2019年1月にはGolden Gate Capitalとともに15億ドル(約1600億円)を投資していた。
買収が完了すると、Koch industriesはGolden Gate Capitalが所有している残りの全株式を取得し、InforはKosh Industriesが単独で所有する子会社となる。Inforは今後も引き続き、現在の経営陣の下で独立した会社として経営される。
業界に特化したソフトウェアスイートで知られるInforにとって、今回の買収は大きな転換点となる。同社は前最高経営責任者(CEO)Charles Phillips氏の下で、新規株式公開(IPO)の準備を進め、投資家やアナリストから幅広い関心が寄せられているとしていた。InforのIPOは、米国のIT企業によるIPOの中で歴代トップ10に入り、ニューヨーク市に本社を置くIT企業としては最大の規模になると予想されていた。
しかし、Phillips氏は2019年8月にCEOの座を退き、当時最高財務責任者(CFO)だったKevin Samuelson氏が経営を引き継いだ。Koch Industriesに買収されたことで、InforはIPOを見送り、非公開企業にとどまることになるとみられている。
Samuelson氏は声明で、「Inforを買収するというKochの決定は、顧客のために革新的なソリューションを生み出すことに注力するInforの製品戦略を支援する強力な後ろ盾となる。Inforは、1100億ドル(約12兆円)以上の収益を上げ、収益の90%を事業に再投資するKochの子会社として、市場のデジタル変革を推進するユニークな存在となる。Inforは、業界に特化した『CloudSuites』を急速に拡大しており、エンタープライズソフトウェアのこれまでの基準を超える顧客体験と成果を実現している」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。