富士通がクラウドとオンプレミスのハイブリッド利用環境に向けた新たなITサービス群を発表した。その発表会見で富士通幹部が語った「メガクラウドとの関係」が興味深かったので取り上げたい。
クラウドなどのITサービス群を大幅に刷新
富士通がこれまで提供してきたクラウドなどのITサービス群を大幅に刷新した「FUJITSU Hybrid IT Service」を発表した。
新サービスは、同社が長年にわたって提供してきたクラウドやデータセンター、ネットワーク、セキュリティ、システム運用保守などのインフラサービス、プロダクト、アプリケーション基盤などを新規技術の実装により強化し、新たにクラウドとデータセンターをセキュアにつなぐ接続基盤や統合マネジメントポータルとともに、プレフィックスやサブスクリプションなどの形態で提供するソリューションだという。
こうした企業のビジネスに最適なハイブリッドIT環境の構築や運用サービスを提供することにより、2〜3割のITシステムにおける運用負荷軽減およびTCO(総保有コスト)削減、3〜4割の納期短縮を実現するとしている。(図1)
FUJITSU Hybrid IT Serviceの全体像(出典:富士通の資料)
会見で説明があった新サービスの全容については関連記事をご覧いただくとして、本稿では、説明役を務めた富士通 執行役員常務デジタルインフラサービスビジネスグループ長の島津めぐみ氏が語った「メガクラウドとの関係」が興味深かったので取り上げたい。
その前に、図1のデジタルインフラプラットフォームにおけるクラウドサービスのポイントとなるところを少し紹介しておこう。
ポイントは、従来のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service for OSS/VMware」を「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud」として刷新し、パブリックリソースとプライベートリソースをシングルポータルで一元管理できる新たなラインアップを提供することだ。
このFJcloudは、パブリッククラウドの利便性・俊敏性と、プライベートクラウドの安全性・柔軟性を生かしたハイブリッドなクラウドサービスとして利用できるとしている。FJcloudの概要は図2の通り。詳しい内容は先ほどの関連記事をご覧いただきたい。
FUJITSU Hybrid IT Service FJcloudの概要(出典:富士通の資料)
また、今回の新サービスは、クラウドサービスだけでいうと2年ぶりの刷新である。2018年6月28日掲載の本連載「富士通はクラウドサービス刷新で攻勢に出られるか」で2年前の動きを解説しているので参照いただきたい。