富士通がこれまで提供してきた既存のクラウドサービスを刷新した。競争がますます激しくなる市場で、果たして攻勢に打って出られるか。
ハイブリッドITとマルチクラウドへの対応を強化
「今はじまる! 新たな富士通クラウド」―― 装い新たになった富士通のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service」を紹介する同社のウェブサイトは、こんなキャッピコピーで始まっている。(図1)
富士通が既存クラウドサービスをFUJITSU Cloud Serviceとして刷新するとした6月22日の発表では、「基幹システムのクラウド移行を促進する機能を強化したクラウドサービスを提供し、顧客のビジネスに適したハイブリッドIT環境を実現する」と強調している。
図1:FUJITSU Cloud Serviceの紹介サイト(出典:富士通のサイト)
さらに、「主要なクラウドパートナーとの協業を拡大するとともに、複数のクラウドサービスのインテグレーション・運用を可能にするマルチクラウドサービスを強化し、多様化するICT環境のスピーディーな構築と高品質な運用を実現する」といった2つを刷新の狙いとして挙げた。
図2が新たなFUJITSU Cloud Serviceのラインナップである。従来の「FUJITSU Cloud Service K5」は、オープンソースのクラウド基盤構築ソフト「OpenStack」がベースとなっていることから、「FUJITSU Cloud Service for OSS」として引き継ぐ格好となる。
狙いの1つである基幹システムのクラウド移行を促進する機能の強化では、顧客がポータルサイトから簡単に物理サーバを配備できるベアメタルサーバサービスを提供。顧客の既存オンプレミス環境に合わせてOSやアプリケーションが導入可能なため、アプリケーションの改修および運用プロセスの変更を最小限に抑えられ、既存システムのクラウドへの移行が容易になるという。
狙いのもう1つ、マルチクラウドサービスの拡充では、マルチクラウドでのインフラ構築の自動化やマルチクラウド環境の一元管理技術を活用することによって、ハイブリッドIT・マルチクラウドといった多様化した環境に対してもスピーディーな構築と高品質な運用を実現するサービスを提供するとしている。
さらに詳しい発表内容については、関連記事をご覧いただきたい。
図2:FUJITSU Cloud Serviceのラインナップ(出典:富士通のサイト)