新型コロナウイルス感染症の影響は、今後の産業にどのような及んでいくのだろうか――。テレワークが常態化するともいわれる中、消費者の購買行動も変化している。「ニューノーマル」と呼ばれる新たな時代の到来で、苦境に立たされる企業がある一方で、変化をチャンスと考える企業もありそうだ。さまざまな状況から、今後伸びると考えられる分野を展望する。
最も成長が期待されるのは、オンラインビジネスである。インターネットで価値の提供が完了する事業モデルだ。例えば、オンラインで販売を完結させる小売業、エンターテインメントをオンラインで提供するゲームやストリーミング配信する企業、SNSやウェブメディアも今後は有力になってくるかもしれない。
また、人やモノの移動が制限されるようになったことで、「接触を避けるための消費」に注目が集まっている。フードデリバーサービスの存在感が高まったことが典型例として挙げられる。レトルト食品、電子マネーや電子認証などのニーズも今後継続的に高まりそうだ。
接触を避けることで、結果として家にいる時間が増えることになる。この「おうち時間」の充実を狙い、個性的なビールグラスや現代アートなどを訴求しようと動く百貨店もあるようだ。また、医療分野も大きく動きそうである。治療用の専門的な製品はもちろん、厚生労働省もプッシュしているオンライン診療も本格化する可能性がある。
いずれにしても、ニューノーマルを迎え、消費者の行動は一度リセットされ、新常態が作られると考えておく必要がある。消費者の行動は、結果としてIT活用やIT投資に反映されるからである。
今後のビジネスモデルについて言及した記事を集めた。