ServiceNowは米国時間11月30日、人工知能(AI)を手掛けるカナダの新興企業Element AIを買収すると発表した。「Now Platform」のAI機能を強化したい考えだ。買収条件は明らかにされていない。
モントリオールに拠点を置くElement AIは、Yoshua Bengio氏など機械学習のパイオニアによって設立されたAIプロバイダーで、Microsoft、NVIDIA、Intel、騰訊(テンセント)などから資金提供を受けている。ServiceNowは、Element AIを買収し、カナダに新たなグローバルなAIイノベーションハブを設けるとしている。また、その技術や専門知識を発展させる上で役立つ、主要なAI人材を獲得することに期待しているようだ。
Now Platformは、企業がレガシーシステムを統合し、ワークフローとプロセスを改善できるよう支援することを目的としている。買収は主としてNow PlatformにおけるAIイノベーションを加速させることに焦点を当てている。ServiceNowは、Element AIのAI技術を使用してインテリジェントなワークフローを提供し、すべての従業員が「よりスマートに、素早く業務を行い、ビジネス上の意思決定を合理化できるようにするとともに、生産性を新たな次元に引き上げる」としている。
ServiceNowの最高AI責任者Vijay Narayanan氏は、「当社は、Element AIの強力な機能と世界クラスの人材により、従業員と顧客が、創造的思考、顧客とのやりとり、予測不可能な作業といった、人間ならではの強みを発揮できる分野に集中できるようにする。それがワークフローに対するよりスマートなアプローチだ」と述べている。
Element AIはコンサルティング企業のような役割を果たしており、AIに関する経験が限られた企業が、社内に専用チームを設けることなく、AI機能を迅速に導入できるよう支援している。
ServiceNowは現在、元SAPの最高経営責任者(CEO)Bill McDermott氏が率いている。同社はElement AIの買収について、これまでで最も重要な買収の1つだとしている。また、Now PlatformにAIを導入するために行った一連の投資の中で、最新のものとなる。Element AIは、Loom Systems、Passage AI、Sweagleに続き、ServiceNowが2020年にAI関連で買収する4社目の企業となる。
ServiceNowによると、買収は2021年初頭に完了する見通しで、Yoshua Bengio氏は同社の技術アドバイザーに就くという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。