VMwareは米国時間3月16日、マルチクラウドの管理で顧客を支援するツール「CloudHealth by VMware」と「VMware vRealize」に対する一連のアップデートを発表した。より広範なパブリッククラウドベンダーに向け、これらツールの価値を高めていく。
同社はパブリッククラウドプロバイダー間の橋渡しとなるための取り組みを続けており、今回のアップデートもその一環となる。2020年には、当時の最高経営責任者(CEO)Pat Gelsinger氏が、「顧客に選んでもらえるマルチクラウドインフラストラクチャープロバイダーになる」ことが目標だと述べていた。
VMwareは2019年に、マルチクラウド管理の強化を目指し、CloudHealth Technologiesを買収した。CloudHealthのプラットフォームは、パブリッククラウドを横断するコンピューティング環境のコストや利用状況、セキュリティ、パフォーマンスの分析で企業を支援する製品だ。「CloudHealth FlexReports」はカスタマイズ可能なコスト評価レポートを生成するツールだ。今回のアップデートで、CloudHealth FlexReportsは「Microsoft Azure Enterprise Agreement(EA)」をサポートするようになったため、顧客は「Microsoft Azure」のEAと、「Amazon Web Services」(AWS)の「Cost and Usage Reports」(コストと使用状況レポート)の双方を選択できるようになった。さらにCloudHealthは、自動化された新たなレコメンデーション機能で、「AWS Savings Plans」のサポートを深化させている。
vRealizeのアップデートでは、「vRealize Automation」「VMware vRealize Operations」「VMware vRealize Log Insight」「VMware vRealize Network Insight」などが対象となっている。主な内容は以下の通り。
「VMware vRealize Automation 8.4」は、Azureや「Google Cloud Platform」といったパブリッククラウドに対する強化されたパブリッククラウドのプロビジョニングのサポートを提供する。また、「VMware vRealize Automation Cloud」と「VMware Cloud on AWS」の統合により、必要となるクラウドリソースの設定を自動化できるよう支援する。
このほか、「vRealize Automation SaltStack Config」コンポーネントの統合機能の強化や、「VMware NSX-T」のマイグレーションのサポートでネットワークの自動化機能を強化できるようアップグレードされている。
「VMware vRealize Operations」のアップデートでは、一般的なネイティブのAWSサービスのほとんどを網羅する大規模な強化が予定されており、合計で57のサービスがサポートされるようになるという。また、VMware Cloud on AWSでの新たな「What-if Planning」機能や、コストフローの最適化機能の強化、オープンソースの「Telegraf」エージェントプラグインのサポートにも対応している。
さらに、「VMware vRealize Network Insight Cloud」によって「Google Cloud VMware Engine」と「Azure VMware Solution」の双方に対するネットワークの可視化を実現する。VMware Cloud on AWSに対するネットワーク可視性も強化される。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。