IBMは米国時間4月19日、2021会計年度第1四半期決算(3月31日締め)を発表した。売上高は前年同期比1%増の177億ドルで、1株あたり利益は1.06ドル、非GAAPベースの1株あたり利益は1.77ドルだった。2020年の低迷を経て、第1四半期は増収となり、予想を上回る結果となった。
アナリストは売上高を173億4000万ドル、非GAAPベースの1株当たり利益を1.63ドルと予想していた。
Red Hat部門の売上高が前年同期比17%増、クラウドおよびコグニティブソフトウェア部門が4%増、システム部門が4%増となった。
IBMは第1四半期に、量子コンピューティングの取り組みの拡充、分社化するマネージドインフラサービス事業の命名(Kyndryl)、業界に特化したクラウドサービスの提供など、将来に向けてさまざまな取り組みを行った。
今後の見通しについては、2021年通年で売上高が成長すると見込んでおり、マネージドインフラサービス事業のスピンオフ関連費用などを除いた調整後のフリーキャッシュフローが、110億ドルから120億ドルになると予想している。
最高経営責任者(CEO)のArvind Krishna氏は、ハイブリッドクラウドプラットフォームの導入が進んでいると述べた。「やるべきことはまだあるが、2021年通年で売上高の増加を達成し、調整後のフリーキャッシュフローが目標額に達する自信がある」(同氏)
またKrishna氏は、IT支出環境は改善しているとし、次のように述べた。
支出環境は全体的に改善しているようだ。しかし、地域や業界によって、若干の違いがあるのは確かだ。基本的な業績をみると、米大陸の方が好調だった。アジアは差があり、国によって異なる。どの国が良くて、どの国がそうでないか、容易に推測できるだろう。新型コロナウイルスの状況と、ビジネス状況によって余儀なくされている停滞の両方が、影響を与えている。欧州はやや慎重だと私たちはみており、それが数字にも表れている。また、業界によって違いが出てくることも見てとれる。
当社の顧客は、デジタル変革を加速させている。それに伴い、当社が提案するハイブリッドクラウドの命題が、大きな役割を果たすようになっている。