Cisco Systemsは米国時間5月14日、カリフォルニア州サンタクララに拠点を置き、リスクベースの脆弱性管理プラットフォームを手がけるKenna Securityを買収する意向を明らかにした。
セキュリティ事業を対象とする主要な買収は、2018年にDuo Securityを23億5000万ドルで買収すると発表して以来となる。買収条件は明らかにされていない。
Kenna Securityは、機械学習(ML)やデータサイエンスを活用し、現実世界のエクスプロイトの追跡や予測を実行することで、企業のセキュリティチームが絶えず変化し続ける脅威の状況を管理できるようにしている。Ciscoによると、Kenna Securityは1400万を超える資産を保護するとともに、127億件以上の脆弱性を管理してきたという。
CiscoはKenna Securityのテクノロジーを用いることで、脅威とリスクに基づく脆弱性管理機能を「Cisco SecureX」プラットフォームに組み込む計画だ。この統合で、脆弱性の優先順位付けや、意思決定の迅速化と自動化、サイバーインシデントへのレスポンスタイムの加速という点で顧客を支援していく。
Ciscoでセキュリティ事業グループの責任者を務めるGee Rittenhouse氏は、「SecureXの一環としてKenna Security(のテクノロジー)を用いることで、われわれの先進的な脅威管理能力をリスクベースの脆弱性管理能力で連携させ、顧客に対するわれわれのプラットフォームのアプローチを劇的に強化する。さらに両者の組み合わせによって、顧客は優先順位を付けた脆弱性の一覧を生成できるとともに、セキュリティチームとITチーム間のコラボレーションを合理化し、セキュリティに向けた全体的な取り組みの強化に向けて改善策を自動化することで、重要な課題に取り組めるようになる」と述べた。
SecureXは2020年に導入され、Ciscoのセキュリティポートフォリオの重要な部分となっている。アナリティクスとワークフローの自動化によって、企業のセキュリティインフラ全体の可視性を向上させることを目的としたクラウドネイティブなセキュリティプラットフォームだ。Ciscoによれば、SecureXは既存のセキュリティ製品を統合的に可視化するもので、その対象にはCiscoのサービスのほか、サードパーティーの製品も含まれている。
Ciscoのセキュリティ事業は会計年度第2四半期、前年同期比10%増の8億2200万ドルとなっていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。