「Google I/O 2021」カンファレンスが米国時間5月18日に開幕する。カンファレンスでは「Android 12」や機械学習(ML)、そして何らかのハードウェアに焦点が当てられるかもしれない。そして、開発者向けのさまざまなテーマや機会も見逃せないだろう。
2021年のGoogle I/Oはオンラインで開催され、無料で参加できる。オープニングの基調講演は、太平洋時間18日午前10時に開始される。キーノートやセッションの公式スケジュールが公開されている。
オープニングの基調講演は、人工知能(AI)に関する進展、Android 12のインターフェースに関する数々の変更、SoC開発などを含む広範な内容となるかもしれないが、カンファレンスは開発者を中心とするものだ。注目したいテーマは以下の通り。
Android 12:開発者向けとして、Androidの新たなUIツールキット「Jetpack Compose」に関するセッションが多数用意されている。またGoogleは、Androidアプリの音声対応化に関するセッションや、アプリ内の音声ショートカットに関するさらなる開発ツールをアピールする可能性がある。このほか、Android向けのMLツールや、大型サイズのディスプレイへの対応、拡張現実(AR)に関するセッションも予定されている。
Android 12のアップデートには、新たなアプリ起動エクスペリエンスや、ウェブリンクの向上、リッチなハプティック(触覚)エクスペリエンス、動画エンコーディング機能の向上、MLの高速化、カメラ関係の機能強化などが含まれる。これらの点と、「Google Pixel 6」のリーク画像を掲載した記事などを考え合わせると、Android 12は大々的なアップデートになりそうだ。
開発者のマネタイゼーションモデル、そしてプライバシー:「Google Play」ストアは手数料を売上高の15%、すなわち従来の半分に引き下げたことで、さらなる賭けに出る機会を手にしている。一方Appleは、「iOS 14.5」のリリースを機に、データのトラッキングに対するユーザーのオプトインを必須とした。この変更によってFacebookとのちょっとした衝突が引き起こされたが、これは開発者が手にする広告収入にも影響を及ぼす可能性がある。モバイル分析企業Flurryによると、アプリに対するデータのオプトイン率は米国でおよそ3〜5%だという。開発者は、より多くの売上高を手にできるという点で昔から「iOS」を好んでいるものの、Androidは(a)手数料を5%以下に引き下げる、あるいは(b)プライバシーに取り組みつつ、広告のターゲティング手法を維持する道を模索するという手段でその差を縮めてくる可能性がある。Googleは、データやプライバシーの透明性の取り組みに関して開発者向けに概説している。
「Google Chrome」の肥大化:Google I/Oのスケジュールを見ると「Chrome OS」トラックはあまり大々的に扱われていないが、Chromeブラウザーにおける一部コードの効率化についての話があれば素晴らしいだろう。筆者の経験から言わせてもらえば、Chromeのコードベースが問題になりつつあるのは明白だ。このブラウザーは時とともにメモリーを大量に消費するようになり、安定性に関する懸念が出てくる場合もある。GoogleはこのChromeブラウザーの課題に直接触れないかもしれないが、その必要がありそうだと筆者は感じている。
「TensorFlow」とML:過去のGoogle I/OではMLが大々的に扱われており、2021年のカンファレンスでもそれはあまり変わらないだろう。期待できるのはTensorFlowのさまざまな機能向上に関する発表や、MLがAndroidやそのプラットフォーム全体でどのように統合されていくのかという発表だ。また、MLトラックには倫理やアクセシビリティー、日々の問題解決に関する内容もある。
「Material Design」の向上:AndroidではUIの変更に力点が置かれつつあり、Googleのデザイン(Material Design)に向けたアプローチに関するトラックでは、それなりの数のセッションが用意されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。