松岡功の一言もの申す

サステナビリティー経営に「取り組む余裕はない」との声に対するSAPの見解を聞いてみた

松岡功

2021-11-25 11:15

 企業にとって「サステナビリティー経営」が求められるようになってきた。だが、特に中小企業ではその必要性を理解しつつも「取り組む余裕はない」との声が少なくない。多くの企業の経営システムを担うSAPに、こうした声への見解を聞いてみた。

サステナビリティー経営と経済の発展は両立するのか

写真1:会見で話すSAPジャパン 常務執行役員チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー 兼 デジタルエコシステム事業担当の大我猛氏
写真1:会見で話すSAPジャパン 常務執行役員チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー 兼 デジタルエコシステム事業担当の大我猛氏

 「SAPはこれまで10年以上にわたってサステナビリティー経営に取り組み、自らの経験に基づいたソリューションを提供してきた。SAPの製品・サービスの顧客数は世界で40万社を超え、世界中のビジネス取引の77%に関与している。こうしたことから、SAPは地球全体のサステナビリティーに貢献できると考えている」

 SAPジャパンでこの分野を担う常務執行役員チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー 兼 デジタルエコシステム事業担当の大我猛氏は、同社が先頃オンラインで開いたサステナビリティー経営への取り組みやソリューション展開についての記者説明会で、こう胸を張った(写真1、図1)。

図1:SAPのサステナビリティー経営への取り組みと外部機関からの評価(出典:SAPジャパン)
図1:SAPのサステナビリティー経営への取り組みと外部機関からの評価(出典:SAPジャパン)

 会見の内容については関連記事をご覧いただくとして、本稿では「地球全体のサステナビリティーに貢献できる」と表現できる限られた企業の一つであろうSAPだからこそ尋ねてみたい2つの質問を会見の質疑応答で聞いてみた。

 質問の内容は、1つは「サステナビリティー経営と経済の発展は両立するのか」、もう1つは冒頭にも挙げた「特に中小企業ではサステナビリティー経営の必要性を理解しつつも『取り組む余裕はない』との声が少なくないが、これに対するSAPの見解をお聞きしたい」というものだ。

 大我氏は1つ目の質問に対し、「企業はこれまで、基本的に経済性を追求して活動してきた。しかし、ここに来て経済性と共に社会的な価値の向上や環境対策にも積極的に取り組むべきとの要求が高まっている。私の理解では、これからは優先順位としてまず環境対策が求められ、そして社会的な価値を問われ、その上で経済的な価値が成り立つという認識に変わっていくと捉えている」と答えた。

 サステナビリティー経営と経済の発展は、両立を目指していくものの、その中身の取り組みにおいて優先順位が変わっていくということだろう。

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