Amazon Web Services(AWS)は米国時間11月29日、「Amazon Braket Hybrid Jobs」の提供を開始したと発表した。これは量子アルゴリズムと古典的アルゴリズムからなるハイブリッドワークロードの設定や監視、効率的な実行で企業を支援するサービスだ。
AWSによるとHybrid Jobsは、「Amazon Braket」の拡張機能だという。Amazon Braketは、科学者や研究者、開発者らがD-WaveやIonQ、Rigetti Computingといった量子ハードウェアプロバイダーのコンピューターを用いた実験を可能にすることを目的としたフルマネージド型のAWSサービスであり、2019年に発表された。
同社によると、開発者はこれまでであればハイブリッドアルゴリズムを実行するために、古典的なインフラを手作業で設定し、必要なソフトウェアをインストールし、ハイブリッドアルゴリズムの実行中には量子計算プロセスと古典的な計算プロセスの間でのやり取りを管理する必要があった上、進行状況を追跡し、必要に応じてパラメーターの調整によって介入するための可視化ソリューションも用意する必要があった。
しかし、Hybrid Jobsを用いることで開発者らは今後、大規模なインフラ管理やソフトウェア管理を必要とせずに、ジョブをすぐさま起動し、量子ハードウェアやシミュレーターを用いてアルゴリズムを実行し、ジョブの完了時点でリソースを解放できるようになると同社は述べている。
AWSによると、開発者はアルゴリズムに関するカスタム化したメトリクスを定義し、「Amazon CloudWatch」を介することで、ほぼリアルタイムで結果を表示できるようにもなるという。
またAWSは、2020年に一般提供を開始した人工知能(AI)搭載型のコードレビューサービス「Amazon CodeGuru」内で、機械学習(ML)を活用した「機密情報検知」機能をロールアウトしたとも発表した。
「Amazon CodeGuru Reviewer Secrets Detector」というこの機能は、パスワードやAPIの鍵、SSH鍵、アクセストークンといった機密情報がソースコード中や設定ファイル中に書き込まれていないかどうかを自動的に精査し、マージ/デプロイされる新たなコード内にそういった情報がハードコードされていないことを保証する、開発者向けの支援ツールだ。
同社によると、Secrets DetectorはJavaやPythonのコードだけでなく、設定ファイルや文書ファイルも対象としており、機密を保持する上での対処手段も示唆してくれるという。
この新機能はCodeGuru Reviewerサービスの一部として追加費用なしで提供され、AWSやAtlassian、Datadog、Databricks、GitHub、HubSpot、Mailchimp、Salesforce、SendGrid、Shopify、Stripe、Tableau、Telegram、Twilioといった一般的なAPIプロバイダーをサポートしている。
Hybrid JobsとSecrets Detectorはそれぞれ、Amazon BraketとCodeGuru Reviewerが利用可能なAWSリージョンのすべてで既に利用可能になっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。