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AWSが量子コンピューティングセンター開設--新拠点で挑む課題

Daphne Leprince-Ringuet (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2021-11-01 06:30

 大手クラウドプロバイダーであるAmazon Web Services(AWS)は、米カリフォルニア州に新たに「AWS Center for Quantum Computing」を開設し、量子コンピューティング業界における存在感を拡大した。この施設では、一流の研究者や技術者が、AWS独自の超伝導量子コンピューターの開発に取り組む。

AWS
提供:AWS

 このロサンゼルスの北東に位置するパサデナに作られた2階建て、床面積2万1000平方フィート(約1950平方メートル)の施設についての発表をAWSが行ったのは、2019年のことだ。この施設は、近隣にあるカリフォルニア工科大学と協力しながら、2年の歳月をかけて建設された。カリフォルニア工科大学の研究者は、同センターの技術チームの一員として、Amazonやほかの学術機関の専門家と一緒に、大規模な誤り耐性あり量子コンピューターの開発に向けたAWSの取り組みを取り仕切る。

 この新たな建物には、量子研究チームのオフィスのほか、極低温冷却システムや配線などの量子ハードウェアの開発に必要な設備を備えた研究室が設けられている。

 今回のAWS Center for Quantum Computingの開設は、いつの日かかつてない規模の計算能力を発揮するようになると期待されている量子コンピューティングの世界でも、主導権を握ろうとするAmazonの野心の表れだ。専門家は、十分な規模の量子コンピューターが開発できれば、古典的なコンピューターでは実行不可能な問題を解決できる可能性があり、材料科学や、運送業や、製造業などの分野で、科学的にもビジネス的にも大きなチャンスもたらすと予想している。

 量子ハードウェアに対するアプローチはいくつかあり、それぞれのアプローチは、量子コンピューターの構成要素である「量子ビット」を制御し、操作する手段の面で異なっている。AWS Center for Quantum Computingでは、超伝導量子ビットに重点を置いたアプローチを選択したことを明らかにしている。これは、IBMやGoogleなどのライバル企業の研究チームが採用しているのと同じ手法だ。

 AWSは、超伝導量子プロセッサーにはほかのアプローチにない強みがあると考えているようだ。AWS Center for Quantum Computingの製品責任者であるNadia Carlsten氏は、米ZDNetの取材に対して、「超伝導量子ビットにはいくつかの長所があるが、その1つは、半導体産業で培われた微細加工技術を活用できることだ」と述べた。「私たちにはシリコンウエハー上に大量の量子ビットを微細加工できる技術があり、しかもそれを繰り返し行うことができる。このスケーラビリティは今後重要になるだろう」

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