2021年はビジネスの動画活用が当たり前に--2022年は企業のメディア化が加速

藤本和彦 (編集部)

2021-12-29 07:00

 2021年はコロナ禍によって動画サービスの視聴時間が増加したり、東京2020オリンピック競技大会をネット配信で観戦したりしていた人が多かったのではないだろうか。イベントやセミナーのオンライン化も一般的になり、プライベートやビジネスのあらゆるシーンで動画の活用が進んでいる。

 また、第5世代移動体通信システム(5G)の普及によって、高画質・大容量の動画活用が容易になるなど、ユーザーの視聴環境はさらに充実していく見通しだ。動画配信基盤を提供するブライトコーブでプロフェッショナルサービス ディレクターを務める国谷俊夫氏に話を聞いた。

ブライトコーブ プロフェッショナルサービス ディレクターの国谷俊夫氏
ブライトコーブ プロフェッショナルサービス ディレクターの国谷俊夫氏

2021年でビジネスにおける動画活用が当たり前に

 国谷氏によると、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で、あらゆる産業でリモートワークなどの導入が進みウェビナーや動画の視聴が一気に浸透した年となった。2021年もその傾向は続き、ウェビナーや動画配信の視聴は今後も増加していくことが考えられる。

 マーケティングの観点では、動画をただ見せて終わりにするのではなく、「視聴データをいかに自社のマーケティング活動に生かしていくかが重要になる」といい、同社をはじめとする動画配信基盤の機能開発が今後も進んでいくと予想する。

 例えば、動画の内容を人工知能(AI)で解析して、自動で字幕を付与する機能や動画内のオブジェクトを自動で認識する機能、動画のメタデータを自動で抽出する機能などを挙げる。

2022年は企業のメディア化が加速

 2022年のキーワードとして、「企業のメディア化」を挙げる。企業がNetflixやHuluのような自社チャンネルを持ち、自社商品の魅力や企業が目指す世界観を伝える動画を多く配信するようになるという。番組のような動画をメディアのように蓄積、配信する企業がさまざまな業界で増えていき、興味関心の高いユーザーの悩みや疑問に答えたり、ブランドの世界観を効果的に伝えたりする手段の一つとなる。

 企業における動画活用について、国谷氏は「社内コミュニケーション」と「マーケティング」の2つを挙げる。リモート環境下で働く従業員や海外現地法人の従業員に経営のメッセージを届けるために動画を社内報として活用する企業が増えているという。

 また、動画を使ったマーケティングの成果を最大化するには、動画によって生じたユーザーの態度変容を定量的に理解することが重要になる。例えば、ウェビナーで集めた見込み客(リード)のデータを顧客データ基盤(CDP)やマーケティングオートメーション(MA)などのツールと連携することで、より質の高いリードの獲得や育成につなげられるという。

 視聴体験の変化も予想される。「動画を一方通行的に見せるだけではなく、チャットやポップアップ、字幕など、より双方向的なコミュニケーションが主流となっていくと考えている」(国谷氏)

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