提供:Bendigo and Adelaide Bank
オーストラリアの銀行であるBendigo and Adelaide Bankは、クラウドトランスフォーメーションへの取り組みを始めてまだ1年余りかもしれないが、重要なワークロードを今後6カ月でクラウドに移行する準備を進めているところだ。
「重要でないワークロードについては十分な数を処理したので、仕組みやリスクを理解し、制御フレームワークが良好だと言えるようになり、次は重要なワークロードの移行を始めよう、という話になった」。Bendigo and Adelaide Bankの最高情報責任者(CIO)であるAndrew Cresp氏は米ZDNetにこう語った。
Cresp氏によると、移行対象の「重要」なワークロードには、同銀行の「New Payments Platform」のほか、貸付やカードの機能が含まれるという。
「現在注力しているのは、顧客とのやりとりが発生するBendigoのワークロードだ」とCresp氏。「その可用性とスピードを利用できるので、より迅速な顧客対応が可能になる」
Bendigo and Adelaide Bankのアプローチ変更の根幹にはマルチクラウド戦略があり、同銀行はAmazon Web Services(AWS)とGoogle Cloudの環境の両方を用途に応じて活用している。
「実際のところ、クラウドプロバイダー各社の得意分野はそれぞれ異なると思う」とCresp氏は述べた。
「Google、あるいはGoogle内の一部のアナリティクスで非常に優れていると思えるのは、イノベーションに関すること、すなわちデータとアナリティクスのエンゲージメントレベルにおけるフロントとバックと呼ばれるものだ。AWSの大きな強みは記録システムだと考えている。AWSは非常に成熟した組織であり、われわれの進行を手助けし、リスクとコントロールを確実に設定できるように支援してくれる」
「戦略的な話として、『こういう方向でクラウド(戦略)を進める』と述べたが、『うまくいかなければ他社に乗り換える』と言えるようにしているし、そうする機会がある」
同氏の考えでは、複数のクラウドプロバイダーから選べるようにしておくことが、潜在的なリスクを最小限に抑えるために必要だという。
「サプライヤーのリスクという観点から見ると、利用しているクラウドプロバイダーやアプリケーションプロバイダーが当行の利益に貢献しなくなった場合や、パフォーマンスが低下した場合に、他社に乗り換えられる柔軟性を持つことが、本当に重要だと思う。そのリスクを管理することが、ビジネスの観点だけでなくコストの観点からも重要だ」とCresp氏は語る。
「『乗り換えようと思えば乗り換えられる』と言える立場にあることが望ましい。これは本当に重要なことだ」
Cresp氏によると、同銀行の運営のスピードアップを支えるもう1つの重要な要素は、MongoDBのクラウドデータベースサービス「MongoDB Atlas」の採用だという。
「クラウドのスピードで動くためには、われわれがクラウドとクラウド体験に望むスピードで迅速に動き、反復できるデータベースが必要だった」とCresp氏。
「従来の一般的なデータベースでは、アプリケーションの開発時にデータベース管理者がリレーショナル結合の開発に対応しなければならないが、Mongoでは基本的にその作業が不要になる」
同氏はまた、Mongoを利用することにより、複数のクラウドプロバイダー間でのクラウドポータビリティーが可能になる、と述べた。
「当行ではAWSとGoogleを使用しており、Mongoはいわゆるクラウド間のポータビリティーに関して、非常に効果的に機能する。その取り組みにおいて大いに役立っている。API開発に有効だ。コスト面では、これまでと比べて約50%の削減となっている」(Cresp氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。