仕事があふれているIT部門は、やるべき仕事のリストに「アプリケーションのモダナイゼーション」を載せながら、長年の間実行するのは後回しにしてきた。モダナイゼーションとは、古い資産を生かしながら技術を新しくすることだ。しかし最近の調査によれば、企業はデジタル活用能力を高めるために、ようやくこの仕事に取りかかりつつあるようだ。
Insightの委託調査として、IDGが米国でITリーダー400人を対象に最近実施した調査では、「現在までのモダナイゼーションの取り組みが、すでにサービス品質、ユーザー体験、費用対効果にかなりの成果をもたらしている」ことが明らかになった。
2022年になった今、「モダナイゼーション」とは何を意味するのだろうか。ほんの数年前には、メインフレームやミドルクラスのサーバーを廃止して、WindowsやLinux(およびUNIX)のサーバーに移行するのがモダナイゼーションだった。そしてその後、この言葉は、WindowsやLinuxのサーバー群から、クラウドベースのサービスに移行することを指すようになった。そして今のモダナイゼーションは、人工知能(AI)からIoTデータの管理に至るまで幅広くさまざまな機能を提供する「As-a-Service」環境の上で、ビジネス全体で大規模なデジタルトランスフォーメーション(DX)を継続的に進めていくことを意味している。
この調査レポートは、ITのモダナイゼーションを提案しようとする担当者が、新たなプラットフォームに移行するメリットを経営幹部に説明するのに使えるかもしれない。調査の回答者は、すでに行ったITモダナイゼーションから得られた目立った成果を最低でも3つから4つは挙げており、その中でも多かったのが、サービス品質の改善とユーザー体験の改善だった。
ITモダナイゼーションで得られた成果として挙げられたのは、次のような内容だ。
- サービス品質の向上 44%
- ユーザー体験・満足度の向上 40%
- 事業継続性の改善 35%
- 費用対効果・費用の節減 34%
- リソースの最適化 33%
- アジリティの向上 32%
- 収益を生む新製品のイノベーション・創出が増加 32%
- 価値創造までの時間の短縮 31%
- リスクプロファイルの改善 30%
- 可用性/稼働率の向上 30%
- 今までとは異なる、あるいは新しい収入源へのアクセスによるTAMの拡大 24%
- なし 1%