LocationMindと神姫バスは7月1日、全地球測位システム(GPS)のデータを活用したバス運行ダイヤの最適化を目的に、協業に関する基本合意契約書を締結したことを発表した。また、同日から路線バスのGPSデータ取得を神戸エリアの既存路線で開始している。
協業の背景にあるのは、顧客の要望に的確に応える路線バスの運行を、さらに進化させたいという神姫バスの思いだという。兵庫県を拠点にする神姫バスは、900を超える運行路線系統のダイヤ編成を独自のノウハウで行っている。
そこで、位置情報などのビッグデータの分析技術やデータ活用のノウハウを持つLocationMindと協業し、神姫バスから提供された路線バスのGPSデータを分析することで、バス運行の最適なダイヤ編成を目指す。
LocationMindは2022年夏をめどに、GPSデータの分析に用いる新しい機械学習アルゴリズムを開発する予定だ。既存の交通手段推定アルゴリズムは、GPSデータの移動軌跡をパターン認識することで移動の種類を徒歩や車、電車に類型化し、高い正解率で交通手段を推定しているという。今回の協業により、車による移動を細分化し、「バス」と「バス以外の車」へと精度を向上させ、予測精度を上げる。
交通手段推定アルゴリズムのイメージ
神姫バスの運行路線に対して、開発したアルゴリズムを用いて乗降数や運行コストの増減をシミュレーションし、最適化された起/終点の組み合わせとダイヤ編成を2023年度のダイヤ改正の際に取り入れる。その後は、計算結果と実測された乗降数変化や収益変化などを検証し、その結果によって対象となる運行路線の拡大やバス運行全体の最適化を進めていく計画だという。