横浜国立大学の「持続可能なモビリティシステム研究拠点」は相鉄バスやNECと共同で、路線バス車内の混雑度情報を10月26日から試験公開している。この情報は、バス運行情報アプリ「YNUダイナミックバスマップ」で表示されている。
混雑度情報の公開期間は、第1期が10月26~30日、第2期が11月16~30日、第3期が12月14~25日で、土日祝日は除く。対象路線は相鉄バスで、浜10系統の最終便を除く全便と浜11系統の一部の便だという。
YNUダイナミックバスマップでは、横浜国立大学の関係者が多く利用する相鉄バスの特定路線を対象に、Wi-Fiセンサーによって計測されたデータを基にバス車内の混雑度を割り出し、バスの現在位置情報と併せて地図上にリアルタイムで表示している。同アプリは、2017年に横浜国立大学のプログラム「COI(センターオブイノベーション)サテライト」が開発した、路線バス運行情報表示アプリ「YNUナビ」をリニューアルしたもの。
同アプリでは、横浜市営バスと相鉄バスがそれぞれのウェブサイトで公開している路線バスの運行情報を、1つの地図にまとめて転載している。目安の現在地は、車載器のGPS(全地球測位システム)で取得された位置、またはバスが存在する道路区間上の代表点(バス停の中間点)で表示され、一定のペースで更新される。
また、NECのWi-Fiセンシング技術を活用して、乗客のスマートフォンなどが発するWi-Fiシグナルを車内の計測器で受信し、サーバーに送信する。計測器データから車内の混雑度を数段階で推計し、同アプリの地図上に表示する。
同アプリを活用して混雑情報を把握しておくことにより、新型コロナウイルス感染症などへの対応や、ベビーカーや車いすでの移動時において、人々が混雑を避けて安全にバスを利用できるようになると期待されるという。
YNUダイナミックバスマップのイメージ(出典:横浜国立大学、相鉄バス、NEC)