三越伊勢丹ホールディングスは、グループ内の顧客や商品データを一元管理するデータ分析基盤を「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)上の「Oracle Exadata Database Service」へ移行する。現在移行を段階的に開始しており11月に完了する予定だ。日本オラクルが発表した。
システム移行は、同基盤を構築した三越伊勢丹システム・ソリューションズが主導し、運用管理を内製化することで、外注費も低減する。クラウド運用においても、CPU単位で柔軟に増減可能なOCIのコンピュートリソースを活用することで、クラウド利用コストを最適化し、全体で年間運用コストの44%削減を見込んでいる。
この移行により、オンプレミス環境より高い性能、可用性、データセキュリティの構成を実現できるという。また、クラウドの柔軟性や拡張性により、現状の利便性を維持しながら、事業成長に伴うデータの増加に迅速かつ柔軟に対応可能になり、グループ内のデータ活用を促進していけるとしている。
従来の基盤では、三越伊勢丹システム・ソリューションズが自社データセンター内に設置した「Oracle Exadata」上において分析用データを管理しており、ハードウェアの維持費と運用管理費の削減に向けて、当該システムのクラウド移行が検討されていた。そこで、Oracle Exadataの性能を維持しながら、限られた期間と自社主導でのクラウド移行を行うことを要件として検討し、今回の移行を決定した。
三越伊勢丹システム・ソリューションズでは、「Oracle Cloud Lift Services」のフィジビリティースタディーと概念実証により、移行の課題や懸念を整理、解消した。また、Oracle Exadata Database ServiceなどのOCIのスキルを習得し、日本オラクルのコンサルティング・サービス部門と緊密に連携し、本番環境の構築に取り組んでいるとしている。