清水建設は、Denodo Technologiesのデータ仮想化ソリューション「Denodo Platform」を導入した。全社のデータ活用を推進するシステムを構築し、2022年10月に本稼働を開始した。
同社は、2021年から社内外に散在するデータの整理に着手し、「データの民主化」を推進してきた。しかし、データ活用に関しては、「申請されてからデータを渡すまでのリードタイムの短縮」「長時間にわたるリードタイムによるデータの陳腐化」「各部門が蓄積するデータが全社で活用できていない」など複数の課題を抱えていた。
これらの状況を打開するため、2021年からビジネスインテリジェンス(BI)ツールの全社展開を行いデータ活用を進めてきたが、「データの見やすさ、使いやすさ」という新たな課題が発生した。BIツールでデータを可視化できても、データが整理されていないため、使える状態にはならず、利用部門からも「もっと使いやすくならないか」「利用画面が見やすくならないか」といった声が上がっていた。
Denodo Platformに関しては、2カ月に及ぶ概念実証(PoC)を実施した後に採用を決め、それから3カ月を要してシステムを構築した。これにより、部門で蓄積されているデータの共有がユーザーレベルで実施可能となり、データカタログ機能によってデータの格納場所をユーザー自身で確認できるようになった。
今後は、保守や工事などのデータの中でも、テキストだけでなく画像データや他の属性データなども利用できるよう整備していく考えだ。清水建設の担当者は、「現在、Denodo Platformで公開しているデータも全社規模で考えるとまだほんの一部。公開の基盤は既に整っているので、最終的には100%のデータを活用できるようにしていきたい」と話す。