インテルは7月19日、Itanium 2ファミリーで初のデュアルコア版となる「デュアルコア インテル Itanium 2プロセッサファミリー9000番台」(開発コード名:Montecito)を発表した。
デュアルコアのItanium 2は、前世代のシングルコアItanium 2と比べ、「パフォーマンスが最大2倍以上となり、消費電力は最大20%削減できる。つまり、消費電力あたりの性能向上は最大2.5倍だ」と、Intel 副社長 兼 デジタルエンタープライズ事業本部長 Thomas Kilroy氏は説明する。トランジスタの数は17億2000万個で、最上位製品の9050では従来製品の3倍近い容量のキャッシュを搭載している。
新Itanium 2では、仮想化技術「インテル バーチャライゼーション・テクノロジー」(VT)が組み込まれており、バーチャルマシンモニターに対するサポートが拡大される。Kilroy氏によると、Itanium搭載システムの売上金額は、Sun MicrosystemsのSPARC搭載システムやIBMのPower搭載システムと比べて急速に成長しており、中でも日本での成長が顕著だというが、「日本での導入が進んでいるのも、VTでレガシーマイグレーションが効率的に実現できるためだ」と述べた。なお、IDCではワールドワイドでのItaniumシステムの2010年までの年平均成長率を24%と予測している。
またKilroy氏は、2005年9月に設立されたItanium Solution Allianceの加入企業が急速に伸び、現在74社の参加メンバーがいることについて触れ、「Itanium対応のアプリケーションも8200以上にのぼっている」とした。
Itaniumが順調に成長を続ける理由について、Kilroy氏は、性能が向上していることやアプリケーションのサポートが拡大したこと、消費電力の削減など、すべてが貢献していると話す。また、メインフレームからの移行をターゲットとするため、信頼性の高さも大きいとした。
発表会場には、Itanium Solutions Allianceの日本地域委員会から、18日にすでに新Itanium搭載システムを発表したNECの執行役員常務 丸山好一氏も登場した。丸山氏は、同日セゾン情報システムが同アライアンスに参加したことや、これまで開催してきたLinuxベースやWindowsベースのシステム開発者に向けた支援プログラム「Developer Days」において、HPC分野を対象としたプログラムも10月に開催すると述べた。
インテルのItaniumに対する投資額は明らかにされていないが、過去5年間で5世代の製品を投入しており、現在も3製品を開発中。また、Itanium Solutions Allianceとしては、業界全体で2010年までに100億ドルを投資するとしている。
新Itanium 2(シングルコア1製品を含む)の製品番号とスペック、1000個受注時の単価は以下のとおり。
- デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー 9050
動作周波数:1.60GHz、533MHz/400MHz システムバス、104W TDP、24MB L3キャッシュ搭載
424,580円 - デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー 9040
動作周波数:1.60GHz、533MHz/400MHz システムバス、104W TDP、18MB L3キャッシュ搭載
227,700円 - デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー 9030
動作周波数:1.60GHz、533MHz/400MHz システムバス、104W TDP、8MB L3キャッシュ搭載
178,480円 - デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー 9020
動作周波数:1.42GHz、533MHz/400MHz システムバス、104W TDP、12MB L3キャッシュ搭載
104,650円 - デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー 9015
動作周波数:1.40GHz、400MHzシステムバス、104W TDP、12MB L3キャッシュ搭載
86,130円 - インテル Itanium 2 プロセッサー(シングルコア)9010
動作周波数:1.60GHz、533MHz/400MHz システムバス、75W TDP、6MB L3キャッシュ搭載
80,040円