NECは11月6日、新規開発のシステムLSIでIP電話や動画処理を利用できるようにする小型シンクライアント端末「US100」と、シンクライアントシステムの初期導入費用を従来比で最大40%削減するオールインワンサーバセットモデルを中核とする新仮想PC型シンクライアントシステムを開発し、「VirtualPCCenter」(バーチャルピイシイセンター)として同日から販売を開始すると発表した。
新製品は、IP電話機能の付加、高い動画処理性能、初期導入コストの削減が特徴。シンクライアントならではのセキュリティやモビリティに加え、リッチクライアントを利用した場合と同等の業務処理環境を低コストに実現することが期待できる。
デスクトップ型のシンクライアント端末であるUS100は、動画処理やVoIPなどの機能を1チップに収めている。NEC製IPテレフォニーサーバ「UNIVERGE SV7000」と連携可能であり、音声送受信はサーバを介さずにUS100同士で直接行われるように設計されている。この端末はNEC、NECエレクトロニクス、米Server Engines、米Wyse Technologyと共同開発されている。税別価格は5万2000円であり、12月15日の出荷予定となっている。
オールインワンセットモデルのサーバは「Express5800/VPCC 仮想PCサーバ」と「Express5800/VPCC 管理サーバ」からなる。仮想PCサーバは、最大20台の仮想PC型シンクライアント端末を稼働させるサーバに必要とされるミドルウェアやクライアントOSがプリインストールされている。これにより、設置後に簡単な操作でシステムを利用できるようになっている。税別価格は191万6000円からであり、12月15日から出荷予定。
管理サーバは、仮想PCサーバを管理するための専用サーバ。仮想PC型シンクライアントシステム全体を一元的に集中管理して、アプリケーションの追加やセキュリティパッチの適用などを一括して実行できる管理サーバに必要なミドルウェアをセットにしてある。税別価格は39万1000円で、12月15日から出荷予定。
NECは、同製品をグローバル事業展開の戦略製品として、北米や欧州を中心に海外で500人規模の販売体制を確立した。VirtulaPCCenterを中心に、シンクライアントシステムを提供する「クライアント統合ソリューション」において、今後3年間で1500億円の売上を目指す。