NECは5月18日、楽天に「仮想PC方式」のシンクライアントシステムを導入したと発表した。コールセンターのオペレータ用端末100台と、会議室などの共用端末70台をシンクライアント化。情報漏えいやウイルス対対策などのセキュリティ環境を強化するとともに、端末1台にかかる管理運用コストを約30%削減したという。
シンクライアント基盤には「VirtualPCCenter」を採用した。サーバ上に各端末ごとのOSを仮想化して格納し、これまで各パソコン上で運用していたデータ、アプリケーションを移行。それぞれのOSにかかる負荷にあわせ、サーバのCPUや記憶装置のリソースを自動配分できるようにした。
NECによると、こうした仮想PC方式は、ブレード化したパソコンをシステムセンターで集中管理する「ブレードPC方式」などに比べ、ハードウェアの設置スペースや運用コストを抑えられる。楽天が必要最小限のハードウェアで運用可能なシステムを要望したため、仮想PC方式を提案、納入に至ったという。
シンクライアント端末には、解像度1280×1024ピクセル対応の「TC-Station<ハイエンドモデル>」を採用。楽天のオペレータが使用する19インチ型ディスプレイで鮮明な画像表示が可能という。NECでは今回の導入実績をもとに、シンクライアントシステムの拡販を進めていくという。