GXSは11月15日、戦略的なBtoB-ECアウトソーシングサービス「GXS Managed Services(GXSマネージド・サービス)」を、日本市場向けに投入することを発表。日本の自動車やハイテク分野を中心とした製造業、グローバルにサプライチェーン網やビジネスを展開する企業などに向け拡販する。
GXSマネージド・サービスは、BtoBに特化した電子商取引アウトソーシングサービス。次の3つのサービスで構成されている。
- インフラ基盤全般の運用管理:システムの監視、データバックアップ、ネットワーク管理、システム管理、データベース管理、アプリケーション支援
- コンサルティングとアドバイス:専門チームによるデータマッピングと変換処理の管理、取引先への導入に際しての課題解決、トラブルシューティング、エラー対応
- コミュニティに対するサポート:ユーザー企業やその取引先を対象としたネットワーク構築を支援プログラム
同サービスは、国内外の双方向電子商取引をサポートし、ANSI、EIAJ/CII、EDIFACT、JCA/全銀、RosettaNet、XMLなど、あらゆる業界における標準フォーマットをサポート。BtoBに関わるあらゆるビジネスプロセスを自動化および管理可能にすることで、IT部門の負担を軽減し、導入から運用までのコストを削減する。
グローバルには10年以上前から導入されているが、日本市場向けとして展開されるのは今回が初めて。現在、ワールドワイドの顧客数は約150社で、取引先は2万6000社以上に及ぶ。日本国内でもすでに数社が同サービスを採用しており、ある日本のグローバルスポーツメーカーでは、約30社の小売業者との取り引きにGXSマネージド・サービスを採用している。
GXSマネージド・サービスを導入するメリットは、まず導入から運用までのコストを削減できること。新たに独自のインフラを構築することなく、最小限の人員で電子商取引インフラを実現できる。平均で20〜40%のコスト削減が見込めるという。また、顧客サービスの向上や製品化までの時間短縮、組織的な敏捷性、新しい基準やプロトコルへの迅速な対応など、さまざまな効果が期待できる。
来日したGXS米国本社のトレーディンググリッド&インテグレーションソリューション担当バイスプレジデント、Nick Marchetti氏は、「GXSマネージド・サービスは、世界トップ3の金融機関、グローバルな醸造会社、大手小売業プロバイダー、グローバルな製薬業者など、すでに多くの成功事例を持っている。顧客の97%がサービス契約を更新、継続していることからも我々のサービスが高い品質であることを証明している」と言う。
また、GXSの代表取締役社長、Robert Stevenson氏は、「日本企業におけるIT予算の80%は既存システムの維持管理に費やされている。ほとんどのITプロジェクトが投資を回収できないまま推移しているため、企業間システム統合に取り組みたいと思っても機会を損失している。このような、ROIを向上したいが既存システムを捨てられない、BtoBは必要だが手間がかかる、自社ですべて実現したいがやりきれない、といったジレンマを解決するのがGXSマネージド・サービスだ」と話す。
同氏は、「これまで、企業はメインフレームやクライアント/サーバシステムにより、システムの自社対応を行ってきた。しかし現在では、GoogleやSalesforce.com、Amazon.comなどのWeb 2.0企業のようにアウトソーシングビジネスが主流となりつつある。GXSは、BtoB分野におけるGoogleやSalesforce.com、Amazon.comのような企業を目指していきたい」と話している。