ニッセイ情報テクノロジー(NISSAY IT)と日本IBMは5月31日、クラウドコンピューティング技術を活用し、日本生命における基幹ウェブシステムの、開発およびテスト向けIT環境を構築すると発表した。同プロジェクトは5月から開始しており、2010年9月から新環境が稼働する予定。
今回両社が構築する新しい開発、テスト環境の特長は、あらかじめ必要なIT資源を設計して確保する従来の環境と、開発量の変化に応じて柔軟に資源を割り当てるクラウドコンピューティング環境の両方を共存させる構成となる点。IT資源の集約と標準化により活用効率を上げるクラウド環境と、可能な限り本番環境と同じ構成をとり、テスト品質を高める目的で個別に設計された従来のテスト環境を同一サーバ内に準備するという。
新たに構築する開発、テスト環境には、IBMのUnixサーバ「IBM Power Systems」と、運用管理ソフトウェア「IBM Tivoli Service Automation Manager」が採用される。NISSAY ITでは、10年以上にわたる生命保険システムの構築ノウハウを元に、今回の日本生命での開発、テスト環境向けプライベートクラウド構築に取り組む。今後は、クラウド環境構築サービスを広く提供していくことも視野に入れているという。