シスコシステムズは9月25日、ユニファイドコミュニケーションソフト、ビデオ会議製品、コミュニケーション関連基盤ソフトの新製品を発表した。
今回発表されたユニファイドコミュニケーションソフトは、「Cisco Unified Communications System Release 7.0」。このソフトウェアは、電話やボイスメール、メール、インスタントメッセージング(IM)、ビデオ、移動体端末、プレゼンスなどのコミュニケーションを統合するユニファイドコミュニケーション関連機能の基盤として機能する。
今回発表されたUnified Communications System Release 7.0では、ユニファイドコミュニケーション関連のアプリケーションの開発環境を強化するとともに、IBMやMicrosoftのユニファイドコミュニケーション関連デスクトップソフトとの連携を高めるようになっている。IP電話はもちろん、Windows MobileやSymbian、BlackBerryなどの移動体端末向けの機能を強化することで、端末が移動しても従来よりシームレスなコミュニケーションができるようになっているという。
また今回のUnified Communications System Release 7.0では、シスコの音声・ビデオ・ウェブ会議を統合させるためのソフトである「Cisco Unified MeetingPlace」と、シスコグループのWebExが提供するSaaS(Software as a Service)型ウェブ会議サービス「WebEx」とを統合させることもできるようになっている。
ビデオ会議関連で発表されたのが「Cisco TelePresence Expert on Demand」だ。これは、シスコが従来から提供しているテレプレゼンス(高品質の映像と音声を組み合わせてより臨場感を高めたビデオ会議)製品の「Cisco TelePresence」シリーズと、ユニファイドコミュニケーション関連機能をコンタクトセンター向けに提供する「Cisco Unified Contact Center」を組み合わせたものになる。
この新製品によって、顧客は、画面のボタンに触れるだけで、企業内の専門家とより専門的なサービスを受けられるという。近年、金融機関では、金融商品の高度化で金融機関の内部でも、その金融商品の詳細な知識を説明できる人の数が足りなくなりつつあるという状況にある。今回のTelePresence Expert on Demandを活用すれば、たとえば金融機関に点在する専門スタッフの情報や知識を、コンタクトセンターを経由したビデオ会議システムで獲得すると言ったことが可能になる。
新製品のもう一つが、WebExの技術を活用した「Cisco WebEx Connect」になる。これはプレゼンス情報やIM、ウェブ会議などのユニファイドコミュニケーション関連機能を、顧客関係管理(CRM)システムや統合基幹業務(ERP)システムなどといった自社内で運用する従来のビジネスアプリケーション、あるいはSaaS型ビジネスアプリケーションの基盤となるものだ。