Oracle Corporationがサンフランシスコで開催している「Oracle OpenWorld 2006 San Francisco(OOW 2006)」カンファレンスの3日目となる10月24日、OracleのFusion Middleware担当シニアバイスプレジデント、Thomas Kurian氏が登場。同社のミドルウェア製品群「Oracle Fusion Middleware」の新機能について紹介した。
今回紹介された新機能は、次のとおり。
- Service Oriented Development
- ビジネスプロセス管理(BPM)
- ビジネス・インテリジェンス(BI)
- WebCenter
- Identity Management
一般的に、Oracleのミドルウェア製品群を使用したシステム開発では、Service Oriented Development(SOD:サービス指向開発)と呼ばれる手法が採用されている。
Oracle Fusion Middlewareでは、J2EEアプリケーションサーバを中核に、SOA(サービス指向アーキテクチャ)を実現するためのツール、フレームワーク、Webサービスを実現するためのさまざまな標準機能、レジストリやガバナンスなど、SODを実現するためのさまざまな機能が提供され、高い信頼性や可用性、パフォーマンスが実証されているグリッド環境で稼働される。
オンライン求人/求職サイトを展開するMonsterは、Oracle Fusion Middlewareを使用することで利用者がリアルタイムに変化する情報を取得できる仕組みを実現した。また、受発注管理を行っているSiebelシステムとOracleのERPシステムを統合することで、サービス品質を向上し、顧客満足度を向上させている。さらに、直感的な操作性や.Netシステムとの連携なども実現。今後は、全社的なシステム統合も視野に入れている。
SODによりサービスを実現できたら、次にサービスを組み合わせてビジネスプロセスを構築しなければならない。そのための機能がBPMだ。
従来、システム開発では、ビジネスプロセスをアプリケーションの中に組み込んで開発してきたために変化に対応することが難しかった。このビジネスプロセスをアプリケーションから切り離し、変化に柔軟かつ迅速に対応できるようにするための仕組みがBPMとなる。
Oracle Fusion Middlewareでは、SOAの基盤をベースに、業務の分析やビジネスプロセスのデザインを行う機能、サービスを統合するためのEnterprise Service Bus(ESB)、BPELによりビジネスプロセスを統合/管理するBPEL Process Manager、ビジネスプロセスの状況をリアルタイムに監視するBusiness Activity Monitoring(BAM)、BtoBやRFIDなどとの統合のための機能などが提供されている。
Kurian氏は、「この取り組みは本日、HP、Intelと発表した“Application Modernization Initiative”に基づくものだ。Oracle Fusion MiddlewareのSODとBPMの機能を使用することで、顧客企業が抱えている既存のアプリケーションを“近代化”することができる」と話している。
強化された新しいBIツールをお披露目
OOW 2006では、新しいエンタープライズBI製品「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition 10g Release 3(Oracle BI Suite EE 10g R3)」が発表されている。Oracle BI Suite EE 10g R3は、複数のデータウェアハウスやOLAP、トランザクションデータなど、分散されたデータをリアルタイムに統合し、ダッシュボードから分析したり、レポーティングすることが可能な機能を搭載する。
BIのデモでは、SODとBPMのデモで作成したオンラインショッピングサイトのデータをダッシュボードで分析し、今何が起きているのかを把握し、問題を解決して見せた。