顧客にとって最も身近な企業に--日本オラクルのOracle Applications新戦略

山下竜大(編集部)

2006-06-15 00:23

 日本オラクルは6月14日、同社のエンタープライズアプリケーション製品群である「Oracle Applications」における日本市場向けの製品およびマーケティング戦略についてプレス向けに紹介する説明会を開催した。

 エンタープライズアプリケーションビジネスにおけるOracleのミッションを、Oracle Corporationの日本アプリケーションビジネス担当シニアバイスプレジデントであるDick Wolven氏は、「“顧客にとって最も身近な(Relevant)ソフトウェアカンパニー”になることだ」と話す。

オラクルのWolven氏 「顧客にとって最も身近な(Relevant)ソフトウェアカンパニーになる」とWolven氏。

 最も身近なソフトウェアカンパニーを目指すために日本オラクルでは、まずはエンタープライズアプリケーションビジネスを推進するための組織の再編からスタートしている。Wolven氏は、2005年11月に同職に就いて以降、特にプリセールス部門の強化に注力しており、現在では350名以上の組織を実現している。

 プリセールス部門の強化にこだわった理由をWolven氏は、「世界第2位のIT市場である日本においてプリセールス担当者が6人しかいないなど考えられない。これでは、ビジネスの成功は見込めない。アプリケーション業界においては、クリティカルマス(規模の経済)こそが成功の鍵だ」と話している。

 今後、日本オラクルでは、350名のプリセールス部門および日本オラクルインフォメーションシステムズとの協業によりアプリケーションビジネスを展開していく。ポイントとして、シンプルなGo-to-Market戦略や窓口の一元化、透明なマネージメント組織の実現、分断することのないサポート体制などが挙げられた。

 Wolven氏は、「最大のポイントは、できるだけシンプルで常に顧客中心の戦略であることだ」と話している。

 たとえば新規顧客には、フロントオフィスの「Siebel」、ミッドマーケット向けの「JDEdwards」、大規模システムの「Oracle E-Business Suite」、人材管理システムの「PeopleSoft」を訴求していく。一方、既存顧客向けの新しい戦略として同日発表されたのが「Application Unlimited」だ。

 Application Unlimitedは、2008年に次世代エンタープライズアプリケーションである「Oracle Fusion Applications」がリリースされた後にも、Oracle EBS、PeopleSoft、JDEdwards、Siebelの各製品のバージョンアップを無制限(Unlimited)に行っていくという同社の新しい製品戦略だ。

 これにより既存のユーザー企業は、2008年以降も既存システムをOracle Fusion Applicationsに移行しなくても、常に最新機能を使用することが可能。ユーザー環境の状況に応じた製品ロードマップが確立され、いつでも任意にアップグレードを行うことができる。Application Unlimitedは、日本OAUG(日本Oracle Applications Users Group)からの提案により実現された取り組みという。

 「Oracleは、もはや単にエンタープライズアプリケーションを提供するだけのERPベンダーではない。ERPにより高い付加価値を提供し、顧客企業が継続的に成長できるソリューションを提供できる、よりRelevantな企業を目指している」(Wolven氏)

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