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ESPイベント特集

ファストサーチ&トランスファ

多様なデータへの対応力と付加情報の提供力でESP製品の新市場を開拓するファストサーチ

梅田正隆(ロビンソン)
2006/09/28 18:00

毎年、売上を右肩上がりに伸ばしているファストサーチ&トランスファ(ファストサーチ)。その成長の原動力と言える同社のエンタープライズ・サーチ・プラットフォーム(ESP)製品は、構造化、非構造化を問わず、あらゆるデータに対して検索作業を行えるというメリットに加え、検索作業を通じて入手した付加情報を整理・分類して提供する。これにより、きわめて質の高い情報を提供できる点が大きな特徴だ。最新バージョンはFAST ESP5.0となっている。同社で最高経営責任者(CEO)を務めるJohn M. Lervik氏に、ESP市場における同社の戦略について話を伺った。

あらゆるデータを扱えることがESP製品にとって不可欠に

ファストサーチ&トランスファ(本社 ノルウェー) 最高経営責任者(CEO) John M. Lervik氏 ファストサーチ&トランスファ(本社 ノルウェー)
最高経営責任者(CEO)
John M. Lervik

 「エンタープライズ・サーチ・プラットフォーム(ESP)製品は構造化、非構造化を問わず社内外のあらゆるデータに対応できなければなりません。それがひいては、企業におけるESPの価値の極大化につながるのです」と強調するのは、ノルウェーに本社を構えるESP製品ベンダー、ファストサーチ&トランスファ(ファストサーチ)で最高経営責任者(CEO)を務めるJohn M. Lervik氏だ。

 同氏によると、ESPの価値は、次の3つの側面(3つのP)から語ることができるという。まず1つ目は、「収益:Profitの向上」だ。ESPの本質は、言うまでもなく“必要な情報を迅速に探し当てること”。そこで、eコマースサイトなどではESPを検索ツールとして活用することで、顧客が欲する情報を素早く提供できるようになる。その結果、顧客満足度の向上や売上の拡大につなげることができるのだ。

 2つ目は、「効率/生産性:Performanceの向上」だ。企業内にはさまざまな情報がいくつものシステムやファイルサーバなどに分散管理されている。そのために、社員は必要な情報を入手するために多大な労力を費やさなくてはならなかった。だが、ESPを用いれば、そのような環境下でも目的の情報を容易に探し出すことができる。加えて、ESPを使うことで、情報共有のほかにもデータ分析の支援もできるようになるため、さらなる業務の効率化が見込めるのだ。

 最後の3つ目は、「リスクからの保護:Protection」だ。事業を継続していく上で、企業にはさまざまな法令を遵守するとともに、各種犯罪や内部の不正に対しての対策を講じておくことが求められている。社内はもちろん外部に発信する情報に関しても、さまざまな切り口で検索・分析することが可能なESPは、そのためのきわめて有効な手段といえるのである。

 ただし、現状、機能的な制約から検索可能なデータが限定されているESP製品も少なくない。それらの製品を導入した場合には、以上のようなESP本来の効果を期待することができない。 だが、ファストサーチが提供する製品は、基幹系や情報系など、さまざまなシステム内に格納されたデータ、各種ファイル、メール、インターネット上のデータ、さらに動画などのマルチメディア系のファイルなどあらゆるデータを扱うことができる、企業価値の向上に向けた企業の多様なデータ活用を支援することができるのだ。

データの“意味”まで読み取り高度な分析環境を実現

 一般的に、検索エンジンはキーワードに関連したデータを収集するものがほとんどだ。対して、ファストサーチが提供する製品は、一度の検索作業でキーワードにまつわる付加データも収集する。それらを優先度などの面で整理・分類して提供することで、従来型のキーワード検索よりもはるかに質の高いデータを提供できるのである。

 例えば、同社の製品を採用したある新聞社のWebページでは、キーワードを基に検索された同社の過去記事のほか、同じキーワードを含むブログや、過去の記事数の推移、検索結果のページに含まれる単語のうち、利用頻度が高いものなどが一覧で表示されるよ。また、「センチメンタル・アナリシス」と呼ばれる文面解析技術によって、記事がキーワードに対して批判的か好意的かまでを判定し、それらを一覧するといったことも可能になす。さらには個々の利用者の検索行為を分析することで、利用者にとって必要と考えられるデータを自動的に表示する機能も備えている。

 Lervik氏は、「ファストサーチのESP製品では、一度の検索結果によって入手された多様なデータを、ユーザーが利用しやすい形に分類・整理して提供できます。しかも、そのための多彩な機能を標準で備えており、ユーザーは表示したい情報を選択するだけで非常に高度な検索環境を整備できるのに加え、分析作業にまでつなげられます。利用を重ねることで個々の利用者が欲する情報の傾向を製品側が認識し、より情報を探し当てやすくなる点もメリット大きなメリットだといえます」と自社製品の優位性を語る。

 企業ではこれまで、ビジネス・インテリジェンス(BI)などをはじめとしたシステムの利用環境を整えることで競争力強化をはかってきた。ただし、様々なシステムから上がってくる大量のデータを深く分析するためには、そのためのロジックの定義が事前に求められた。結果、分析作業のために少なからず労力を費やさなければならず、そのための知識も求められる。これが企業におけるデータ活用の妨げとなっていたのだ。

 これに対してファストサーチの製品は、データ検索のための労力、さらに分析の容易性の両面で、BIに対して優位性を誇る。「BIなどでは、データに隠された市場トレンドを探し当てるために多大な時間を要します。その結果、トレンドを探り当てるころには時間が過ぎており、得られた情報が経営的に意味をなさなくなっていたこともしばしばありました。だが、当社の製品では、リアルタイムにデータを分析することが可能なので、ビジネスチャンスをとらえられるようになります」(Lervik氏)

 このように優れた検索・分析機能を持つ一方で、パフォーマンスも極めて高い。実際に、他社製の検索エンジンを利用していた日本最大級のコマースサイトがファストサーチの製品に乗り換えたところ、従来運用していた数十台もの検索用サーバを3分の1にまで削減できた例がある。

 その点についてもLervik氏は、「検索用サーバの台数を減らせたことで、運用コストの削減につながりました。また、パフォーマンスも約3倍にまで高められ、より多くの利用者に同時に情報を提供できるようになりました。この結果は売上の向上にもつながったはずです。もちろん、信頼性も高く、弊社の製品を導入してからは、大きなトラブルが発生した事はないと聞いています」と様々な効果が現れたことを説明している。

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