シマンテックがベリタスと組み合わせた初の製品群を提供--「弾力的な」メール基盤を構築

田中好伸(編集部)

2005-11-02 12:15

 シマンテックは11月1日、ベリタスソフトウェアとの統合後で、両社製品を組み合わせた初の製品群の提供を開始した。シマンテックが提唱する「Resilient Infrastructure」(弾力性のあるインフラストラクチャ)を具現化する製品の第1弾としている。

 提供が開始されたのは「Symantec Email Security & Availability ソリューション」。同製品群は、迷惑メール(スパム)を削減、メール経由でのウイルス侵入を防止。またメールが受信してから廃棄するまでのライフサイクルを自動的に管理する。

Symantecの香川悦子氏は日本法人にも勤務していた

 米Symantecでソリューションマーケティングディレクターを務める香川悦子氏は「メールはビジネスにとって重要なアプリケーションになっている」と指摘し、メール関連のインフラがミッションクリティカルなインフラであることを説明した。

 同製品群ではメールが利用される段階を(1)データ削減、(2)リスク・データ削減、(3)社内メール保護、(4)記録保存、(5)記録検索・開示--の5つの段階に分けて、それぞれの段階に対応した機能を提供する。

 (1)のデータ削減では、メール関連サーバに届く前にスパムの量を削減する。スパム対策とウイルス対策機能を持つメールゲートウェイアプライアンスであるMail Security 8200シリーズを設置する。(2)のリスク・データ削減では、メールサーバ本体の前でウイルスやスパム、フィッシングを防御する。(3)の社内メール保護では、企業内外でメールに添付されるウイルスを検知・駆除、同時にメールの文章についてフィルタリングする。ここでは、サーバソフトのMail Security for Microsoft ExchangeとMail Security for Dominoが目的を果たす。

 (4)の記録保存では、ビジネスポリシーに基づいて自動的にメールを管理・保存する。役職やメールの内容ごとにあわせた保存期間、廃棄時期を決められる。ベリタスのEnterprise VaultでExchangeやSharepoint Portal Server、インスタントメッセージ、ファイルサーバ内のデータを検出してアーカイブする。(5)の記録検索・開示では、Enterprise VaultのアドオンであるCompliance Accelerator & Discovery Acceleratorが法令順守関連機能を支援する。

 そしてこれらの5つの段階とは別に、メール関連のインフラで復旧対策やダウンタイム最小限化、ストレージ(外部記憶装置)の自動管理を担う製品を提供する。このメール関連の基盤では、NetBackupやBackup Exec、Storage Foundationなどが担う。

Email Security & Availability Solutionはメール基盤を管理する

 シマンテックは、ベリタス製品との組み合わせによる今回の製品群と同時に、かつてベリタスのブランドで販売していた製品をシマンテックの販路で販売することも発表している。11月30日から、シマンテックのパートナーを通じて、「Symantec Backup Exec 10d for Windows Servers」を販売する。

 また「Symantec Client Security」あるいは「Symantec AntiVirus Corporate Edition」の新規ライセンス250以上購入したユーザー企業に、Backup Exec 10d for Windows ServersのCPSスターターパック(1ライセンス)を無償で提供するバンドル販売を年内に開始する予定だ。

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