シマンテックは9月28日、ディスク・イメージをバックアップする個人向けソフト「Norton Ghost」の企業情報システム向け版である「LiveState Recovery 6.0」を出荷した。クライアントPCのデータ保護が狙い。企業版は、クライアントPC上で動作するエージェント・ソフトを管理サーバから集中管理できるのが特徴。価格は1ユーザー当たり1万1500円から。
LiveState Recoveryの基本機能はGhostと共通であり、ディスクのイメージを他のディスクや光ディスクなどにバックアップするソフトである。テープ装置を用いたバックアップ/リストアと比較して、パーティション単位で単純な操作で高速にバックアップ/リストアできる。障害発生時にシステム全体をリカバリする用途に特に適する。
Ghostとの違いは、クライアント/サーバ型で動作する運用管理機能を利用できる点である。実際にバックアップ/リストアを実行するのはクライアンPC上で動作するエージェントだが、エージェントを集中管理する管理サーバを設置可能である。管理サーバでは、スケジュールの一元管理などが可能になる。
従来版と比較したLiveState Recovery新版の特徴は、ディスク・イメージのリストア先として「VMWare」の仮想コンピュータ環境を選べるようにした点である。元々、VMWareが管理する仮想PCは、PC環境とOS、アプリケーションを含めて単一のファイルとして扱える特徴を持つが、VMWare環境ではない普通のOS環境をVMWareに移行する際にLiveState Recoveryのリストアを利用することで、運用の幅が広がる。
また、10月24日には、米MicrosoftのOSであるWindowsが標準で含むバックアップ・ソフト「NTBackup」の上位互換ソフトで中規模システム向けのデータ・バックアップ・ソフトの新版「Backup Exec 10d for Windows Servers」を出荷する。価格は13万8600円。ファイル・サーバのデータをネットワーク経由でディスク上にバックアップする「Continuous Protection Agent」は5万1450円。
新版では、従来のテープ装置へのバックアップ機能に加え、ディスクからディスクへオンライン(無停止)でバックアップするソフト「Backup Exec Continuous Protection Server」を添付した。同機能(同ソフト)は、ネットワーク上に分散するファイル・サーバのデータをディスク上に複製バックアップする。集約したデータを一括してテープ装置に格納する世代管理バックアップが可能になる。