東工大、NEC構築のスパコンでアジア初の100テラフロップスマシンを実現

藤本京子(編集部) 2005年11月29日 21時41分

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 東京工業大学(東工大)は11月29日、2006年3月に導入予定のスーパーコンピュータについてプレスセミナーを開催した。同システムは、NECが構築を担当するもので、サン・マイクロシステムズやAMDの製品を採用した「日本最速のスーパーコンピュータ」(東工大)としている。

 NECは、2002年に開始した東工大におけるキャンパスグリッドの実験や地球シミュレータなど、大規模システムの構築および運用実績がある。今回のシステムは、同社が各ITベンダーの技術を集約して構築する。

 今回のシステムに採用される技術は、NECのiStoreストレージ(RAID6、100テラバイト)、AMDのサーバ用Opteronデュアルコアプロセッサ(2.4/2.6GHz)、サン・マイクロシステムズのSunFireサーバ(8ウェイ、16コア、655ノード、50テラフロップス)、英ClearSpeedのアクセラレータボード(96Gフロップス SIMD)、イスラエルVoltaireのInfiniBand 10Gbpsネットワーク、米Cluster File SystemsのLustre大規模並列ファイルシステムなどだ。OSにはLinuxが採用されるが、SolarisやWindowsの利用も検討中だ。

200
システムについて説明する東工大の松岡教授

 東工大では、同システムにて処理能力100テラフロップス(毎秒100兆回の浮動小数点演算)以上を見込んでおり、「アジア初の100テラフロップスマシンとなる。スーパーコンピュータのTop500においても、世界で5位となるだろう」(東工大 学術国際情報センター教授 松岡聡氏)としている。

 100テラフロップスのスーパーコンピュータを採用するにあたっての効用について松岡氏は、地球シミュレータクラスの実験ができることや、産学連携の推進による間接経費の増大、アライアンスを組む他大学の計算ニーズのホスティング、学内の分散した情報基盤の集約化などが可能だとしている。

 なお、米国ではすでにIBMの「BlueGene/L」が100テラフロップス以上を実現している。米国ではペタフロップス級の処理能力も2007年〜2008年には実現可能だとされている。

 一方の東工大では、2007年までにインフラを増強し、2008年後半にはスーパーコンピュータのアップグレードで200テラフロップスを実現する予定だ。また、2010年には1ペタフロップスを実現するとしている。

 ただ、5年で100倍の高速化を実現するには、「ハードウェア技術のみでは困難なため、ソフトウェアでの技術的ブレークスルーが必要だ」と、東工大 学術国際情報センター長 教授 酒井善則氏は説明する。同氏は、「東工大では、原子から宇宙までを解くマルチスケール解法“CIP法”での実績や、1995年より始めた高校生によるスーパーコンピューティングプログラミングコンテスト(SuperCon)を実施するなど、さまざまな実績がある」として、ハードウェア技術とソフトウェア技術の相乗による高速化を実現するとした。

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