NECは12月5日、百十四銀行から、FAXの誤送信による個人情報の漏えいを防止する「FAX誤送信防止システム」を受注したことを発表した。新しいシステムは、同行において2005年11月よりすでに稼動している。
FAX誤送信防止システムには、FAX機をすべて撤去する「スキャナ方式」と、既存のFAX機を受信用にのみ活用する「集中センタ承認方式」の2つの方式があり、ユーザーの要望に合わせた柔軟な構成が可能。百十四銀行では、「スキャナ方式」が採用されている。
今回、百十四銀行に導入されたシステムでは、すべてのFAX送信は、行内のPCからネットワークを介して接続されたFAXサーバを操作することで実施される。外部顧客への送信時には、あらかじめ登録された顧客データベースを用いてシステム上で宛先番号確認を実施するため、入力間違いによる誤送信を防止することができる。
また、FAX送信時には、送信者のパスワード認証を行うことで、不正利用の防止も可能。高いセキュリティを実現している。さらに、これまで使用していた行内のFAX機約200台がすべて撤廃されるため、機器運用コストの大幅な削減も実現している。
一方、「集中センタ承認方式」についても大手信用金庫からの受注が内定しており、NECでは今後も金融機関への積極的な販売を展開していく計画。同システムの価格は1500万円より。NECでは今年度中に両方式合計で10システムの受注を見込んでいる。