Officeのニューファミリー「Groove」で何ができる? - (page 2)

柴田克己(編集部)

2006-08-09 20:49

高度な運用を可能にするサーバシステム

 このような仕組みのため、Grooveはクライアントアプリケーションのみでの運用も可能だが、ビジネス環境での利用を想定した「Groove Server 2007 Manager」「Groove Server 2007 Relay」「Groove Server 2007 Data Bridge」と呼ばれるサーバシステムも用意される。

 Managerは、組織内に存在するGrooveクライアントの統合的な運用管理を実現するための機能になる。Active Directoryを利用したユーザー管理が可能になるほか、アカウント設定の配信、データバックアップ、利用ポリシーの設定、ドメイン管理、レポート・監査などを実現する。

 Relayは、Grooveクライアント同士のデータ通信を中継する役割を持つ。ファイアウォールを越えてのデータ通信、帯域幅のコントロールに加え、ワークスペースを共有しているクライアントがすべてオフラインの場合に参照されるデータキャッシュとしても機能する。なお、Relayについては、マイクロソフトでホスティングサービスを行う計画だ。

 Data Bridgeは、企業内のさまざまな業務システムと、Webサービスを利用してデータ連携を行うための製品になる。Grooveには、ユーザーが独自のフォームを設計するための各種の機能が用意されているが、カスタムフォームとData Bridgeを組み合わせて利用することにより、業務アプリケーション上のデータを取り込んだコラボレーション環境の構築が可能になるという。なお、Grooveには「Grooveフォームツール」と呼ばれるスクリプティングベースの開発ツールが標準で装備されているほか、InfoPathで開発されたフォームのインポートも可能。また、SOAP、WSDL、XSDに対応したWebサービスAPIによる他システムとの連携も可能になっている。

Groove画面2 Grooveに標準で装備されている「Grooveフォームツール」と呼ばれる開発ツール。フィールド、フォーム、ビューから構成され、スクリプトベースでのUI変更や開発が可能。

 Office Systemの一部としての連携機能としては、前出のInfoPathフォームのインポートに加え、SharePoint ServerのドキュメントライブラリとGrooveのワークスペース間でのデータ同期、SharePointのチェックイン/チェックアウト機能のGrooveでの利用が可能。さらに、Office Communicatorとのプレゼンス情報、連絡先情報の統合、Office Live Communications Serverを介した各種のリアルタイムコラボレーション機能のGrooveからの利用といった形で統合が図られている。

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