UMLで何ができるのか
UML2.0では全部で13種類の図が規定されています。これらの図を目的に合わせて使い分けることで、静的又は動的にシステムを視覚的に表現することが出来るのです。実際の現場でよく使われる図をいくつか紹介しましょう。
クラス図
クラス図では、システム化対象である業務の主要な情報を「クラス」として定義し、クラスの特性やクラス間の関連などを静的に表します。これによって、例えば取引先には法人と個人の2種類があり、取引先からの受注には商品ごとに明細を作成する、というようなことを下記のような図で表現することができます。
クラス図中にある「1」や「*」は多重度と呼ばれ、それぞれ「1つ」「複数」と読みます。この例の場合、取引先1つに対して複数の受注があり得る、1つの受注には複数の商品明細があり得る、という意味になります。
シーケンス図
シーケンス図では、処理の流れや実行タイミングといった動的なシステムの振る舞いを表します。細かいロジックを記述することはできませんが、文章での説明と比べて理解しやすいため、複雑な処理を説明するときなどに使われます。
他にも、ものの状態や状態が変化するタイミングを表す「ステートマシン図」や、システムの機能とその実行者の関係を表す「ユースケース図」などもよく使われます。