4Kの鍵はアプリケーション
--テレビ市場においては、4Kが注目を集めている。パナソニックはこの分野にどう取り組んでいくのか。
4Kは大きなポテンシャルを持った商品であると認識している。だが、テレビだけがわたしの4Kにおける興味ではない。4Kのポテンシャルを生かした良いテレビという選択肢を提供するだけではメーカーとしては不十分である。ディスプレイの性能を十分に発揮できるアプリケーションをいかに提案し、パートナーシップを作り、テレビ以外にも幅広く展開していくことが重要である。
例えば、2013年末に、東京・汐留のパナソニックミュージアムで絵画の展示会を開催し、皇后陛下にもご来場いたただいたが、この展示会場の出口に65型の4Kディスプレイを設置し、作品を紹介した。これに多くの方が見入った。わたしも見入った一人である。展示会場の現物を見るのとは異なるが、それでも引き込まれるような精細感、臨場感を出せた。
これが4Kの魅力である。そして、年末に量産試作の4Kタブレット「Tough Pad 4K」を自宅に持ち帰り、日経電子版を読んでみた。紙のリアルのイメージを持ったまま、さらに拡大縮小ができ、これよって、紙の世界が変わると感じた。このように、4Kディスプレイならではの精細度、臨場感が提案できる分野がある。わたしにとっての4Kの興味はここにある。だが、Tough Pad 4Kは、2.4kgもあるため持ち運びしにくく、バッテリー駆動時間が2時間と短い(笑)。
もっと薄くなり、軽くなれば、世界が変わる。これが4Kの1つの方向性である。BtoBという観点では、4Kはビジネスとして立派に成り立つと考えている。
テレビだけに限らない4Kの可能性