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「PCのデル」後の舵取り--デル新社長の平手氏 - (page 3)

末岡洋子 怒賀新也 (編集部)

2015-09-24 19:12

--ソリューション分野でのDellの強みは?

 例としては、レガシーのモダン化があります。IoTなどで顧客がさまざまなことを計画、展開しており、クラウド、PaaSを含めてさまざまな技術を使っています。しかし、実際にはビジネスの中で既存のレガシーをプラットフォームに移すにあたって、レガシーをクラウド対応にさせる形ではアプリケーションそのものは変わっていません。

 顧客が費やすコストの7~8割がメンテナンスであり、運用の負荷やスキルセットという点からみても、このような”オンプレミスとクラウドのダブルスタンダード”から、クラウドネイティブに移っていかなければなりません。この状況で、インフラの中にコピー環境を作ることで、既存のアプリケーションの中であるロジックそのものをアプリケーションの外に出すことができる。

 ミドルウェアやインフラに出すことで、顧客の負荷が軽減し、解放された分をクラウドネイティブとして構築すべき新しいアプリケーションの開発に割くことができます。レガシーからの変革を加速する支援をDellがすることで、クラウド時代の新しいアプリ、新しい取り組みが可能になります。

 これらをユースケースとして話していく必要があります。ハードウェアのスペックから話をするのでは、自分のアプリの環境で何が実現できるのかが分かりにくい。何が変わるのかというユースケースに落とし込んで顧客と会話をしたいと考えています。

 これにより、顧客起点で、顧客に合わせた形でDellの技術や品ぞろえから必要なものを、統合した形で提供できます。

--クラウドではx86サーバを多数並べるアーキテクチャが広がっている。これはDellにとって追い風となるか?

 Dellの中心的価値はオープン性にあります。ベンダーの中にはオープンと言いながら、「これはうちの製品を使ってください」となることもあるが、Dellは本当にオープンです。顧客が今お使いのものを含め、あらゆる選択肢のものをつなぐことができます。

 全部を新しく作るということになると、コスト、時間、スキルの全ての面で負担がかかりますが、われわれは今お使いのものの中で一部を入れ替えることで、新しい「コト」ができる。これをお手伝いします。ある「コト」を実現するにあたって、ここはうちのこの製品を、ここは顧客がお持ちのこれをつなぎましょう、という形で高速に構築できます。

--単品販売からビジネスを変えていくにあたって、どのような舵取りをしていくのか? 

 シームレスな顧客の環境ということを考えると、エンドツーエンドのプラットフォームを提供する、ということでDellの立場は一貫しています。そこは今後も継続して強化していく領域だと考えています。

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